エヴァ『破』の「翼をください」が流れた場面でポジティヴな衝撃を受けた人は必聴? その曲は入ってないけれど、60年代後半以降の、日本のフォーク/ニュー・ミュージックの最良の部分...のちの「J-POP」には決定的に欠けている部分が、執拗なまでに集約されたアルバムだ。
岡林信康ではじまり、よしだたくろう(あえて当時のひらがな表記)で終わる。井上陽水「最後のニュース」、RCサクセション「ラヴ・ミー・テンダー」が入っている。そして「さとうきび畑(1969年ヴァージョン)」...と聞いて、岡林も入ってるし「プロテスト・ソング」集? みたいに思うかもしれない。いや、だから(それこそ40年前から岡林やたくろう自身も言っていたことだが)そんなレッテルは、まったく見当外れ。ここには喜納昌吉&チャンプルーズ「花」も、坂本龍一「Merry Christmas Mr. Lawrence」も入ってるし、わりと「お洒落」な部分もある(というか、歌詞を無視すれば普通にお洒落...洋楽の旧譜系力作コンピみたいにカッコいい。あと、NHK「みんなのうた」率が低くないのも興味深い)。
だいたい、どの歌詞も「明確な政治的主張」をおしつけていたりは、まったくしない。というより物事を「断定」することを、実は巧妙に避けている。まあ「(歌ってる本人にとって)当然のことを当然と言ってなにが悪い?」といった姿勢はあるけれど(それは、いいことだろう?)。
プリファブ・スプラウトに『プロテスト・ソングス』ってアルバムがあり、もうすぐ出る彼らの新作のタイトルが『Let's Change The World With Music』(!!)...なんてトピックも挙げたくなってしまう。
「差別的」と見当外れの非難を受けて一時「封印」されていた(そういえば「ラヴ・ミー・テンダー」も"東芝"EMIと衝突したんだよな...)憂歌団「おそうじオバチャン」も入っている。これは、明らかにブルースだ。そこから斉藤哲夫や高田渡をへて、たくろうに至る流れは圧巻。本誌の対談記事「Danger Money From UK」でもちょっと前にネタになっていた(笑)「人生を語らず」。フォー・ライフからのリリースにも関わらず、わざわざCBSソニー時代の(フォー・ライフ設立直前の、ある種の怒りのこもった)曲を入れているところに、限りない「本気」を感じる。
ご存知のとおり、フォー・ライフというのは、70年代の人気絶頂期にたくろう、陽水、泉谷しげる(このコンピに代表曲を提供)、小室等(同上)が設立した、日本で初めての「アーティスト主導型」レコード会社。ディストリビューションは旧メジャー系に頼らねばならなかったとはいえ、その姿勢や成り立ちは「インディー・レーベル」と捉えることも不可能ではない。
このコンピは、そんなスピリットを30年以上をへて再燃させたもの、みたいに思える(全然関係ないけど、エヴァの新作映画も、ガイナックスとか「製作委員会方式」ではなく、庵野監督のインディー会社が制作しているのも興味深い)。
アートワークは、オバマ就任時のワシントンの様子、らしい。
『蟹工船』ブームはどうでもいいけれど、来月末に控えた総選挙に向けたBGMとして、個人的にこれ以上のものはないと思ったりする。
Vote For Change.
岡林信康ではじまり、よしだたくろう(あえて当時のひらがな表記)で終わる。井上陽水「最後のニュース」、RCサクセション「ラヴ・ミー・テンダー」が入っている。そして「さとうきび畑(1969年ヴァージョン)」...と聞いて、岡林も入ってるし「プロテスト・ソング」集? みたいに思うかもしれない。いや、だから(それこそ40年前から岡林やたくろう自身も言っていたことだが)そんなレッテルは、まったく見当外れ。ここには喜納昌吉&チャンプルーズ「花」も、坂本龍一「Merry Christmas Mr. Lawrence」も入ってるし、わりと「お洒落」な部分もある(というか、歌詞を無視すれば普通にお洒落...洋楽の旧譜系力作コンピみたいにカッコいい。あと、NHK「みんなのうた」率が低くないのも興味深い)。
だいたい、どの歌詞も「明確な政治的主張」をおしつけていたりは、まったくしない。というより物事を「断定」することを、実は巧妙に避けている。まあ「(歌ってる本人にとって)当然のことを当然と言ってなにが悪い?」といった姿勢はあるけれど(それは、いいことだろう?)。
プリファブ・スプラウトに『プロテスト・ソングス』ってアルバムがあり、もうすぐ出る彼らの新作のタイトルが『Let's Change The World With Music』(!!)...なんてトピックも挙げたくなってしまう。
「差別的」と見当外れの非難を受けて一時「封印」されていた(そういえば「ラヴ・ミー・テンダー」も"東芝"EMIと衝突したんだよな...)憂歌団「おそうじオバチャン」も入っている。これは、明らかにブルースだ。そこから斉藤哲夫や高田渡をへて、たくろうに至る流れは圧巻。本誌の対談記事「Danger Money From UK」でもちょっと前にネタになっていた(笑)「人生を語らず」。フォー・ライフからのリリースにも関わらず、わざわざCBSソニー時代の(フォー・ライフ設立直前の、ある種の怒りのこもった)曲を入れているところに、限りない「本気」を感じる。
ご存知のとおり、フォー・ライフというのは、70年代の人気絶頂期にたくろう、陽水、泉谷しげる(このコンピに代表曲を提供)、小室等(同上)が設立した、日本で初めての「アーティスト主導型」レコード会社。ディストリビューションは旧メジャー系に頼らねばならなかったとはいえ、その姿勢や成り立ちは「インディー・レーベル」と捉えることも不可能ではない。
このコンピは、そんなスピリットを30年以上をへて再燃させたもの、みたいに思える(全然関係ないけど、エヴァの新作映画も、ガイナックスとか「製作委員会方式」ではなく、庵野監督のインディー会社が制作しているのも興味深い)。
アートワークは、オバマ就任時のワシントンの様子、らしい。
『蟹工船』ブームはどうでもいいけれど、来月末に控えた総選挙に向けたBGMとして、個人的にこれ以上のものはないと思ったりする。
Vote For Change.
(伊藤英嗣)



























