珍種。この形容し難い幻覚ミュージックをやっているカルフォルニア出身のガールズという2人組が、今注目を浴びている。まあ、いろんな意味で。見た目とか生い立ち(かなりハードな幼少期を送ったらしい)が強烈過ぎだが、このアルバムは2009年に発表されたデビュー作の中でも秀逸。基本的にはフィル・スペクターとビーチ・ボーイズとロックン・ロールが次から次へ繰り出されるのだが、曲のレベル超高いっす。これは夢物語なんだ、現実とは程遠いところにあるとにかくヤバイ世界なんだ、と分かっていながらふと気付けば泣きそうになっている。「ローラ」のコーラス部分。「僕はここにいるよ。もう君と争いたくなんかない。分かってるだろ。君とはずっと親友のままでいたいんだよ」これを夕暮れの海岸沿いみたいなメロディに乗せて、思いっきりセンチメンタルに歌い上げる。まだ何か脆いもので、みんながとっくに捨て去ったものを信じ続けてしまっているのだろうか。私はガールズのようなバンドをはすに見ることなんかできない。これ聴けるだけ、人生はましってもんだ。
(長畑宏明)



























