小熊俊哉

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THE DITTY BOPS『The Ditty Bops』(2004)*画像
MAX TUNDRA『Parallax Error Beheads You』(2008)
ARCHITECTURE IN HELSINKI『In Case We Die』(2005)
THE NEW PORNOGRAPHERS『Twin Cinema』(2005)
RILO KILEY『Under the Blacklight』(2007)
OF MONTREAL『Hissing Fauna, Are You the Destroyer?』(2007)
FARAQUET『The View From This Tower』(2000)
ANDREAS DRAU『Ich Bin der eine von Uns Beiden 』(2005)
VENETIAN SNARES『The Chocolate Wheelchair Album』(2003)
WHEATUS『Hand Over Your Loved Ones』(2003)

 00年代を振り返ろう! といっても10年前は14歳。世の中がレディヘのキッドAについての議論アレコレで揺れていたころ、プッチモニを聴きながらいかに古本屋で「エヴァ失楽園」を怒られずに買うかで頭を悩ませていました。ある意味、セカイ系ですね。

 ネットの恩恵もあってかクレバーな作り手の溢れた(逆にいえば無難すぎる作品の目立った)10年という印象ですが、何はさておき、自転車でアメリカ横断ツアー、農場巡りツアー等の独立独歩すぎる活動を続け、気がつけばカリフォルニアで同性結婚! と、天真爛漫にスウィンギン・フォークを鳴らす女の子二人組ディティ・バップスと、歌詞中でスポーツ嫌いを標榜、音は中田ヤスタカにパクられ、自身がパーソナリティーを務めるネット・ラジオでは毎週プログレやNW、ディスコ等のマイナー音源をかけまくる「お前はオレか?」なボンクラ禿げ、マックス・ツンドラがここ数年の僕の二大アイドルです。

 インディー・ロックのシーンが規模を拡大するなかで、敢えて売れた時期のフリートウッド・マックを彷彿とさせる「大人のロック」像を提示した(すぐにソロでぶち壊したけど)ライロ・カイリーや、割といい歳したベテランの集まりが誰よりもエネルギッシュで手の込んだパワー・ポップを鳴らしたカナダのニュー・ポルノグラファーズ、ビートリーな作風から一転、マドンナをも圧倒する弾けた独自の世界観を見せたオブ・モントリオールあたりにもドキドキさせられましたが、この10年で一曲選ぶなら問答無用でチックス・オン・スピードの「Glamour Girl」を。エレクトロニカ勢が多く用いたフワフワで安易なモチーフに始まり、「JUNO」のような映画に先述のディティ・バップス、そしてチックスと、ガーリーとは何かを男ながらに考えさせられる10年でした。

 他にはスパークスやアンドレアス・ドラウといったベテラン変態が製作環境の技術的な進歩もあって更なる極みに登りつめたり、一方でそういう恩恵のまったく関係ない作風のケヴィン・エアーズがアルバム作りの際、オーストラリアのヘンテコなバンド、アーキテクチャー・イン・ヘルシンキをゲストに呼んでたりするのに顕著な「縦の繋がり」にも興奮。昔より古典と新譜の共謀関係が見えやすくなり、聴く側も音楽の楽しみ方はより増えたはずなのに、業界は不況と嘆いてばかりで勿体ないよなー、とかとか。

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