犬飼一郎 aka roro!

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BRIGHT EYES『I'm Wide Awake, It's Morning』(2005)*画像
WHITE STRIPES『Elephant』(2003)
GORILLAZ『Gorillaz』(2001)
BOB DYLAN『Love And Theft』(2001)
BECK『Sea Change』(2002)
JOHNNY CASH『American IV : The Man Comes Around』(2002)
THE FLAMING LIPS『Yoshimi Battles The Pink Robots』(2002)
七尾旅人『ひきがたり・ものがたりvol.1 蜂雀』(2003)
GET CAPE. WEAR CAPE. FLY『Searching For The Hows And Whys』(2008)
DAVID BYRNE & BRIAN ENO『Everything That Happens Will Happen Today』(2008)

 マンチェ、シューゲイザーを初めてのリアルタイム・ムーブメントとして体験した幸せな90年代初頭。僕はバンドを結成して、(今とは比べものにならないほど少ない情報量だったけれども)しっかり「同時代感」を味わっていた。でも、それも94年のカートの死によって暗い影が差すようになった。ニルヴァーナを熱心に聞いていたわけではないけれど、日本でバンドをやってる4人のガキを黙らせるのには充分だった。バンドとして最悪の終わり方。人生としてもそう。僕は初めて何かの「終わり」を意識した。それはずっしり重い鉛をお腹の中に抱え込んだまま歩き続けろ、ということだ。

 自分のバンド活動は続けたものの、英米で起こるムーブメントを追う気はなくなっていた。その頃はマイルスやコルトレーンと出会っていた。急速にロックに興味を失いかけていたのが、僕にとっての90年代の「終わり」だ。そして2000年代が始まる。僕はバンドさえも失っていた。

 ブラーのデーモンがソロ・プロジェクトのゴリラズを始動させたのが2001年。ブラーよりもしなやかなリズム、特にダブっぽさが気に入った。そして、90年代にカートと入れ替わるようにシーンに登場したベックが『Sea Change』を発表したのが2002年。最初はどんな気持ちで聞き始めたのか憶えていないけれど、今でも大好きなアコースティックな美しいアルバム。リック・ルービンに担ぎ出されたジョニー・キャッシュが『The Man Comes Around』をリリースしたのもこの年。NINやデペッシュ・モード、スティングの曲を見事なダークさで再現するジジイがいるアメリカの業の深さに感動した。ストロークスの登場を横目で見守りつつ「音楽やめっかな」とも思い始めながら、僕はそんな音楽をひとりでしょんぼり聞いていた。

 でも、それもホワイト・ストライプスとの出会いで一変する。ジャズと並行してブルースも漁っていた僕には、ホワイト・ストライプスの音楽がジャストだった。2003年の『Elephant』から遡って、慌ててアルバムを揃えた。音楽を伝えるために考え抜かれたコンセプト。コンセプトを体現するためのビジュアル。それさえも凌駕していく音楽。

 そしてCDショップで偶然、耳にしたブライト・アイズの「Lua」でやっと僕の2000年代が始まった。『I'm Wide Awake, It's Morning』は2005年だっけ。「911後のアメリカ」という背景もさることながら、純粋に曲が素晴らしい。ラストの「Road To Joy」なんて、ベートーヴェンの「歓喜の歌」だ!

 まず、ひとりで歌ってみること、そして仲間を見つける旅に出る。それはきっと、どう生きるかってこと。2000年代のロックに僕はそんな当たり前のことを気付かされた。1999年で地球が「終わる」と思っていた僕には、うれしい誤算だと言える。

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