矢野裕子

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THE GET UP KIDS『On A Wire』(2002)*画像
銀杏BOYZ『Door』(2005)
銀杏BOYZ『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』(2005)
KEN YOKOYAMA『The Cost Of My Freedom』(2004)
筋肉少女帯『新人』(2007)
WEEZER『Weezer(The Green Album)』(2001)
遠藤賢司『純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集』(2004)
MOTION CITY SOUNDTRACK『Even If It Kills Me』(2007)
CONVERGE『Axe To Fall』(2009)
嵐「Love So Sweet」CDS(2007)
 ここに挙げた音楽達と初めて出会った日のこと、初めてライブを見た時のこと、今も鮮明に覚えている。彼らとはごく当たり前に、まるで好きになることがずっと昔からわかっていたみたいに、私の人生に深く関わっていく存在として、出会うべくして出会ってきた。あの時ちゃんと出会っていて良かったと、今、心から思っている。その点についてだけは全力で自分を褒めてやれる。そういう意味ではこのセレクションは、2000年代の10作品というより「自分に影響を与え続けている人達のこの10年の作品」という方がしっくりくるかもしれない。

 この10年で私にとって何より大きかったのは、ゲット・アップ・キッズと出会ったこと。2000年代に突入する少し前、彼らの2作目『Something To Write Home About』を聴いた瞬間、ほんの数秒で、「私が探していたものはコレだ!」とわかった。いわゆる「ビビっとくる」というやつ。それのもっともっと強烈なやつ。この作品で彼らは「エモの寵児」といった扱いを受けていったが、3年後、そんな世間での扱いを横目に前作とは全く違ったアプローチの作品『On A Wire』を発表した。どう考えてもこれまでの彼らの音、イメージからしたら賛否起こるであろう内容だったが、私はこのどこか寂しげで、全体を通してダークな雰囲気を持ったアルバムが前作以上に好きになった。周りの声など気にせず、自分達の作りたいものを作ってしまえる彼らのことも。この2作目から3作目の流れで私は完全に恋に落ち(もうとっくに落ちてはいたのだが)、それ以降彼らの音楽はまるで友達のようにそばに居て、いつでも私の心に寄り添ってくれている。2005年の解散では涙が涸れるほど泣いたけれど(アメリカへファイナルツアーも見に行ったけど!)、再びこの5人じゃなきゃ出せない音を聴かせてくれるんだから、流した涙なんてどうってことない。

 変わらないものなど何一つない。音楽を好きでいると特にそう思う。好きなバンドの解散や休止は悲しいし、音楽の方向性が変われば戸惑う。若い頃は特に、大切であればあるほどその変化を受け入れられなかったりする。私にとって特別なこの9組も例外ではなく、解散、休止、脱退、復帰と様々あり、この10年はそんな変化を見つめた年月でもあった。今30代になり変化も受け入れられるようになったのは、きっと音楽の先に「人」を見ているから。音やステージから見えてくる人柄や考え方、生き様に触れ、伝えようとするものを受け取り、いつしか自分の人生に重ねるようになった。多くの音楽と、その音楽を鳴らす人達に支えられ、励まされ、救われて、背中を押されてきた。そうやって自分自身も変わっていくのだ。

 今の私にとって何より大事なことは、ここに挙げた9組全てが現在進行形で音を鳴らし続けているということ。国や文化や世代が違っても、昔とは違う形だとしても、今、同じ時代を生きているということ。彼らの変化や生き様をこれからも見ていけるということ。それだけで生きていける、なんて大袈裟かもしれないが、そんな風に自分の心を震わす音楽があるって幸せだと思う。
 
 これまでもこれからも、感覚的に音楽を聴き、予習もなしにライブへ向かい、自分の心が感じるまま共に生きていこうというのが私の音楽との付き合い方で、ごく個人的で、分析も評論も得意ではなく、ジャンルもバラバラ、知識もあやしい、言葉も足りない。けれど少しでも私が感じた何かを誰かに伝えられれば、素晴らしい音楽達と誰かを繋ぐことが出来たら、それだけを思って、最大限の敬意と誠意を持って、文章を綴っていけたらと思っています。

 また素敵な10年になりますように。

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