中村友亮

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LCD SOUNDSYSTEM『Sound Of Silver』(2007)*画像
くるり『アンテナ』(2004)
PRIMAL SCREAM『Xtrmntr』(2000)
ANIMAL COLLECTIVE『Feels』(2005)
NUMBER GIRL『Sappukei』(2000)
THE RUPTURE『Echoes』(2003)
ゆらゆら帝国『空洞です』(2007)
SUPERCAR『Highvision』(2002)
RICHIE HOWTIN『DE9: Closer To The Edit』(2001)
BOREDOMS『Vision Creation Newsun』(2001)

 僕にとっての00年代という10年間は、14歳から23歳までの、いわゆる青春時代と重なるものだ。そしてそれは、僕が音楽とともに生きていくという人生を選択してしまった、始まりの10年でもある。

 僕のリスナーとしてのスタートを振り返ると、小さなレコード屋が一つあるだけの田舎に育ったため、僕には音楽と生きていくための情報源、そして選択肢は限られたものだった。そんな僕の生活が一変したのは、大学進学のために田舎を離れた2005年のことである。気づいた頃には、毎日のようにレコード屋に通い、音楽雑誌を読み、一日中音楽のことを考える生活が始まっていた。並んで買ったチケットを握ってライブに通い、終末のクラブという夜遊びも覚えた。それまでの失ってしまった5年(それはこの00年代の半分もの時間である!)を取り戻そうという気持ちはもちろんあったけれど、とにかく未知の音楽との出会いへの渇が、僕を突き動かしていた。

 以上に挙げた10作品は、音楽の歴史と未来について多くのことを教えてくれた作品である。彼らの鳴らす音は、聴くたびに僕に新たな発見と未知なる音楽への好奇心を呼び起こしてくれた。国内のバンドでは、くるり、ナンバー・ガール、スーパーカーという、所謂「98年世代」を代表するバンドたちが僕にとっての恩師と言える最初の存在であったことを思い出す。そして、ゆらゆら帝国、ボアダムスに出会っていく。彼らは僕の中にあった洋楽と邦楽の壁、またジャンルの壁をも取っ払い、ある一つのジャンルというような小さな枠ではなくて、「音楽」そのものの魅力について教えてくれた。彼らとの出会いが、それまで何となく口にしていた「ロック」とは、そして「音楽」とはなんだろう、という自問自答と、それが呼び起こす好奇心を生んでくれた。テクノやハウスなどのダンス・ミュージック、そしてノイズやサイケデリック・ミュージック...。様々な音楽。音楽を聴いて笑顔になること、そして涙を流すことも、教えてくれた最初の存在は彼らだった。

 選出した10作品には海外の作品も含まれている。ここで挙げた5組についても同様に、僕の恩師だ。プライマル・スクリームからはロックンロールとパンクの精神を。アニマル・コレクティヴからはブルックリンという魅力的な街と併せて、実験的であること、進歩的であることの重要性を教わった。LCDサウンドシステム、ザ・ラプチャー、リッチー・ホウティンがいなければ、僕は夜遊びなんて縁が無かったかもしれない。彼らが教えてくれたことが現在、僕の血と肉になっている。

 余談だが、LCDサウンドシステムのジェームズ・マーフィーがDJとして来日した昨年末、僕は直接彼と話をすることができた。「あなたの音楽に出会えてよかった」。確か、このようなことを話したと思う(緊張してほとんど覚えてないのだが...)。彼のすごく照れた顔を覚えている。その数日後に00年代が終わった。冒頭で述べたように僕のリスナーとしての00年代は、その半分を過ぎた頃に始まっている。それでも、僕にはものすごく大きい10年だった。

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