GIFTS FROM ENOLA『Gifts From Enola』(The Mylene Sheath) [reviews]

Gifts_ From_ Enola.jpg 一昨年辺りから話題を集めるポスト・ロッキンなレーベル、The Mylene Sheath。07年に始動し始めてから早一年でCaspianや、筆者が必死にお薦めするBeware Of Safety、そして飛ぶ鳥を落とす勢いの残響レコードからも見染められたYou.May.Die.In.The.Desertらの音源をリリースしている。そしてここに紹介するGifts From Enolaもまた例に漏れず、破竹の快進撃を極めんとするヴァージニアの暴れん坊4人組なのである(You.May.Die.In.The.Desertとは以前にスプリット作もリリース済み)。

 大胆不敵(!)なバンド名に面喰ってしまうが、彼らの特徴→所謂武器となるサウンドの核はシンプルな爆音ロック。然しインスト系のバンドを紹介するにあたってよく引き合いに出されるモグワイやエクスプロージョン・イン・ザ・スカイ、はたまたシガー・ロスやゴッドスピードらとは全く異なる性質。そして何か革新的であるかと言えば、別段"新しい"といった代物でもない。但し、絶対的に新鮮なのだ。

 フガジが築いたエモの系譜を更に現代風=ポスト云々にアレンジする手法は、今年惜しくも解散したフロム・モニュメント・トゥ・マスィズにも共通項を見出せるが(曲中に流れる台詞のSEを挿入する部分など含め)、彼らの場合はモダンでありながらもハード・ロックな荒々しさと、ハードコア気質な「キレ」を兼ね備えた瞬発力と爆発力を上手く楽曲中に組み込んでいる。プログレッシヴな要素は抑え目に、へヴィなリフ・ワークでゴリゴリと押しまくる男臭いグルーヴが堪らなくアツい! 思わず握り拳を作りたくなるほどにエモ―ショナルなメロディとの相性もバッチリ。

 アルバムとして前二作を経て発表された自信漲るセルフ・タイトル作。前作『From Fathoms』から凡そ1年で制作され、このスピード発表まで扱ぎ付けたのだが、その期間の短さが物語るのは、鍛え上げられたタイトな演奏と沸き起こる制作意欲に他ならない。基本インスト系だが咆哮あり歌ありとアプローチも多彩なのは、あのパーティー・ハードな鼻血兄さんアンドリューW.K.とのツアーも果たし、力強くビルド・アップした経験も一役買っているのだろう。プログレよりも完全にマス・ロック寄りで小難しいことなど抜きにビシバシとフィジカルに感覚出来るカッコ良さったら...! アイルランドのAnd So I Watch You From Afarもそうだが、今後シーンのカギを握るのはこういった様々なジャンルの境界線上に居て、その垣根を打ち壊し、よりデフォルト出来る存在なのだろうと再認識させられた全5曲。

(田畑猛)

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このページは、伊藤英嗣が2010年7月20日 14:34に書いたブログ記事です。

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