THE BITTERS『East General』(Mexican Summer) [reviews]

thebitters.jpg ファックト・アップといえば、凄まじいステージ・アクションを見せる巨漢、ピンク・アイズがどうしてもすぐに浮かぶだろう。そのピンク・アイズのオタクぶりには尋常ならざるものがあるが(だって、日本のアンダーグラウンド・ハードコアまで熟知してるんですぜ!!)、ギタリストであるベン・クックも負けてはいなかった。ベンの趣向が全開に現れているのが、サイド・プロジェクトであるこのザ・ビターズだ。

 オルガンにドラム、シンセ、そしてサックスもこなす女性ヴォーカル、イーリン・フォーゲルをパートナーに迎えた2人組は、グランジ風のノイズを撒き散らし、クランプスを思わせるローファイなガレージ・ロックを繰り広げる。吐き捨てるような歌唱法といい、ささくれ立ったプロダクションといい、一歩間違えばただのゴミ、ともいわれかねない。

 だが、このバンドがブログメディアを中心にリスナーをひきつけているのはそのポップセンスにある。スウィートでフックの効いたメロディはポップだし、要所要所での男女ハーモニーはきっちりと息が合っている。特に、ハイライトとなる「Travelin' Girl」は激キャッチーな歌メロが印象的なナンバー。おそらく、初回ではジャンクすれすれのサウンドに耳を塞ぎたくなるかもしれないが、繰り返し聴くと新たな発見がある。そんな作品だ。

 シングルを大量生産してきて、今後もスプリットの予定がいくつもあるファックト・アップ。ベンさん、やりたいことをやりきったところで、この成果をファックト・アップへフィードバックしてくださいな。

(角田仁志)

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このページは、伊藤英嗣が2010年7月14日 13:15に書いたブログ記事です。

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