桜重奏サーティーン「二人羽織」EP(うずまきレコード) [reviews]

sakura.jpg 重苦しいのも当然、痛々しいのも必然。情念が籠った歌とサウンドなのだから。御歌とギターの升あけみ、御殴りドラムのロデムの前身バンドからの駆け落ち(♀×2)編成だが最近流行りのマス・ロッキンなタイプとは違って、如何わしさが薫る和風ガレージ色にクラっとしてしまうロック・デュオ。今年は話題の神聖かまってちゃんらと対バンしたり、そんな彼女たちが今迄にリリースした音源、通称『白盤』と『黒盤』に続いて今回の6曲入りのミニ・アルバムは画の通り『赤盤』を発表したのだが、これが初の全国発売と相成った。

 そのイメージ・カラーの如く今作品は"赤裸々"に剥き出しに、耳から心臓を突き刺す様に、聴く者が持ち合わせる感性の急所まで最短距離で音が飛び込んでくる...。然し、撲殺でもあり絞殺でもあり、毒殺でもあり刺殺でもあり! 何れにしても曲がスタートした刹那、瞬く間に空気を一変させるのだ。然しその何れもがその行為自体の快楽性などを唄ったものではなく、衝動に駆られた理由や背景を物語った上で全編に渡り二人称が登場した、パーソナルに響く世界。でもやっぱ魅力的な女の子って肉食だな~って思わせたり、端々に感じさせるのはエネルギーに満ちた若さと可愛さだったり。懐かしいたて笛の音色とエレピでほっこりさせるM-5の「目はうずまき特急列車」なんて、なんてキュートなんだ!とか。

 平たく言えばホワイト・ストライプスmeets初期の椎名林檎と言った様が想像し易いとは思う(ヴィジュアル的に)が、敢えてそう評する向きを不肖が嫌わないのは強ち間違いではないと思うし、この音楽をして"アングラ"なんてレッテルを貼るのは凄く勿体なく思うのだ。確かにアッパーではないにしても十分にポップだし。所々耳馴染みのあるフレーズが聴こえたりする部分にもニヤリとさせられる。特にM-3の「歩こう」はナックの「マイ・シャローナ」を彷彿とさせるリフに乗せて、メロディはストレンジに捻くれながらも、エッジは尖らせたままストレートにロック!言葉を届ける甲高いヴォーカルはノイジーなサウンドに映え、その通り名の通りに殴りつけるようなドラムは、一心不乱故に楽曲の持つシリアスな感情と共鳴しながらグルーヴを生み出して、、、って、この辺りは生(LIVE)を見てもらえれば一発で感じる事が出来るだろう。音源で感じ取れるドロドロ感が半端ないから。

 とにかくラストのトラック「サイレン」という爆音ハイライトで締め括る粋の良さを含めて、今後も注目したいロック・バンドである。

(田畑猛)

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このページは、伊藤英嗣が2010年8月19日 14:45に書いたブログ記事です。

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