ワイアー

WIRE

きみたちの国で起こった悲劇的な出来事のあとに
東京に行くというのは、意義のあることだと思う

今年1月に待望のニュー・アルバム『Red Barked Tree』をリリースしたワイアーが久々の来日を果たし、東京は代官山ユニットのアニヴァーサリー・イベントで、一夜限りのライヴをおこなう

80年代の初来日も00年代の2度目も、プライヴェートな都合により行けなかった(泣)ぼくとしても今回は絶対に行くつもりだ! ぼく(ポスト・パンク世代:笑)の彼らに対する思い入れは、それほど深い。『Pink Flag』にはじまる70年代の3枚のアルバム、ラフ・トレードからのイレギュラーなリリース(シングルやライヴ・アルバム)をへてミュート・レコーズからリリースされていた80年代の一連の作品、そして『Send』で00年代に復活をとげてからのEPやアルバム、どれもこれもが素晴らしい。

今チラリと述べたとおり、彼らはいわゆるポスト・パンクを代表するバンドのひとつと目されている。先日発売されたクッキーシーン・ムックではちょっとしたポスト・パンク特集を展開した。そこにおける「総論」(みたいなもの)の冒頭に、00年代におこなった(曲作りにおける)中心人物コリン・ニューマンの発言を長々と引用した。過去にぼくが直接おこなった、当時のバンドたちのインタヴューのなかで、ポスト・パンクというものを最も簡潔かつ適確に捉えた発言と思えたから。

その特集では、ザ・ポップ・グループやスロビング・グリッスル、ギャング・オブ・フォーのインタヴュー記事を並べたものの、ワイアーのページは(単独では)設けなかったことを微妙に後悔していたところ、来日が決まってさらにそれがふくらんだ(笑)。しかし今回、クラブ系ウェブ・サイト、ハイアーフリクエンシー(Higherfrequency)、および招聘もとであるユニットとの共同作業により、彼らのメール・インタヴューをおこなうことができた!

上記のようなムック(紙媒体)の「くくり」に「並べなかった」ことは、もしかしたら、よかったのかも? と思える部分もある(Read & Burn, i say!)彼らの最新インタヴュー。70年代から現在に至る彼らのバックグラウンドもよくわかる、興味深い内容となった。是非ごらんください。


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ワイアーは、70年代後半のデビュー当時はパンク・バンドと目され、その後ポスト・パンクもしくはアート・パンクと位置づけられ、さらには80年代以降10年代に至るまでのいわゆるインディー・ロック・サウンドを先取りしたとも言われています(「ロック」と言われるのはお嫌いかとは思いますが:笑)。そこでお聞きしたいのですが、とにかく何か新しいことをやろうとしてたのですか? それとも、ただ自分たちがやりたい音楽が偶然、世の中にとって新しかったのでしょうか?

コリン・ニューマン(以下コリン):ワイアーがパンク・バンドとしてデビューした頃は、とにかく現代的なポップ・ミュージックが盛り上がってた時期だったんだけど、その時期...1977年ごろには、自分たちの音だとか、制作方法とかを作り上げてくと同時に、パンクってものからもより発展していかなければいけないとごく自然に感じ取っていた。それで、自分たちのバンドはどんな種類の「パンク」の青写真的なものからもどんどん離れていった。バンドとしては、常に作品ありきの姿勢であり、ジャンルありきではないんだ。ワイアーにとって絶対のルールがひとつあるとすれば、「使用できる機材とスキルから創り出せる音であれば、何でも」ってことだね。

グラハム・ルイス(以下グラハム):ワイアー初期のバンドとしての発展やその過程について興味があるなら、ウィルソン・ニート(Wilson Neate)の著書『Pink Flag』をおすすめするよ。33 1/3シリーズから出ている本で、自分たちが1977年にやりたかったこと、夢見てたことが深く掘り下げて書いてある(注:33 1/3シリーズとは、名作と言われているさまざまなアルバムについて簡潔にまとめた洋書のシリーズ。村上春樹翻訳『Pet Sounds』も、ぼくが監修翻訳を担当した『Loveless』も、もとはこのシリーズ。新書レベルの文章量なので英語でも読みやすい...のだが、できれば自分で翻訳をやりたいものがほかにもたくさん...。『Pink Flag』のみならずどれも好きなアルバムばかりだし...。興味のある出版社の方は、是非ここから「ポスト・パンク/ロックンロール・トランスレイター」伊藤宛にご連絡ください...とかね:笑)。

ちなみに、ワイアーを結成するより前にはどんな音楽を聴いてきたんでしょうか。そして、メンバーのみなさんはどうやって出会ったんですか?

コリン:ずいぶん長いリストになりそうだな(笑)。ワイアーを結成するより前だと、ぼくはいろんな種類のポップ・ミュージックを聴いてて、60年代のクラシック・ポップス、モータウン、ガレージ・ロック、フォーク、スカ、レゲエ、プログレッシヴ・ロック、カリフォルニアのアコースティック、クラウトロック...何でもだよ! 音楽の好みの幅が広いんだ。

 結成のいきさつについては、さっきグラハム が言ってた『Pink Flag』に全部詳しく書いてあるんだけど、まあざっくり説明すると、もともとはアート・スクールの学期終わりの休暇中に組んだ5ピース・バンドだった。その、後々抜けた5人目のメンバーが作曲の指揮をとってた。ブルース(・ギルバート)とぼくはワットフィールド(Watford)・アート・スクール時代からの顔見知りで、グラハムとロブ(ロバート・ゴートゥベッド)は、ちゃんとした楽器を持っていた...持っていたというか、使える環境にいたというか...友だちの友だちだった。

グラハム:コリンもぼくもとにかく、どんな種類のポップ・ミュージックでも好きだった。こういう好みは、海岸沿いのファン・フェア(遊具や屋台などがあるイベント)や、海賊ラジオ放送、1968年頃から熱心にコンサートにかよったこと、1972年頃のアート・スクールでのDJ、1973年からはプロモ・ギグをやったりしてた経験からできあがってきたものだよ。

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ニュー・アルバム『Red Barked Tree』は、基本的にコリンがアコースティック・ギターで作ったデモがもとになっているという話を聞きました。本当ですか? 「Smash」みたいな(最終的にはディストーション・ギターをフィーチャーした)タイプの曲も、すべて? そうしようと思った経緯は?

コリン:『Red Barked Tree』のうち3曲はアコースティック・ギターで作ったよ。といっても、これは特にワイアーとして新しいことではなくて、実は最初のアルバム3枚についてはアコースティック・ギターで作った曲も多いんだ。

 過去10年間はアッサンブラージュ(さまざまな素材を組み合わせて制作する)・スタイルの制作をしてて、いろんなパフォーマンスの断片を組みあわせて、最後に歌を乗せるような感じで作っていた。今は大勢の人がそんなやり方でレコードを作ってるし、作曲のプロセスとしては良いとは思う。だけど、アコースティック・ギターとヴォーカルだけで曲を作り、ワイアーのバンドの中で曲をアレンジして、バンド用の曲に仕上げるっていうプレッシャーの下にもう一度立ち返ったほうが良いんじゃないかと思った。今はそのやり方でとてもうまくいってると思うよ。

グラハム:ぼくがレコーディング・セッションに持っていった4曲はロジック(というアップル社のソフト)で作った。


本作はもちろんそうですが、ブルース・ギルバートが脱退して初めてのアルバムであった前作『Object 47』あたりから、「曲のメロディー」を重視しているように思えます。78年のセカンド・アルバム『Chairs Missing』も、やはり「うた」が印象的でとても好きだったのですが、最近のワイアー はそれを連想させる気もします。こんな意見について、どう思いますか?

コリン:つまり『Send』(注:アルバムとしては前々作。ブルース・ギルバート所属時最後の作品)とは真逆だって言いたいわけだね(笑)。『Send』は全然メロディーがない作品だった。『Object 47』と「Read & Burn 03」(注:00年代の再始動後にリリースされている「Read & Burn」EPシリーズの3作目。「読んで燃やせ」というタイトルも最高だが、とくにこの3作目は素晴らしかった! 未聴の方は是非!)はさっき言ったアッサンブラージュの方法で作った。『Send』の制作もそうだった...けど結果は全然違うものになっている。まあ、それ(ブルース・ギルバートの脱退)とはあまり関係ないかと思うよ。

『Red Barked Tree』は今挙げた3枚よりもっと注目されるアルバムになると思う。セールスもいい感じなんだ。よりダイレクトな仕上がりだし、ライヴ用に曲を「翻訳」する必要がほとんどない。バンドにとってとても良いタイミングだったと思う。それで『Object 47』と「Read & Burn 03」をまた聴きなおす人も増えるだろう。それらには本当にいい曲が入ってるからね。

『Chairs Missing』はバンドとしてのあり方を真に確立できた1枚だと思うし、パンクとの実質的なつながりを断ち切った作品でもある。ぼく個人は、メロディーとハーモニーというものにはいつも深く関わってる人間なんだ(たとえ全く表に出ていなくても)。まあ、ヴォーカルについてはあまり話さないほうがいいかな、ぼくがただ唄ってるだけだからね(笑)。

グラハム:もし『Send』の路線をそのまま続けていたら、ワイアーというバンドは真っ暗な袋小路に入り込んでしまったんじゃないかと思うよ。いわばぼくらにとっての「箱舟」になった作品である「Read & Burn 03」と 『Object 47』を2007年に制作していたときは、音像に「もっと光を!」という気持ちで、閉所恐怖症的な感じをなくして、よりメロディックに、よりエモーショナルな広がりを持った空間を作り出そうとしていた。それこそ、2004年にブルースが脱退したあと、ぼくらが彼抜きでやり遂げなければいけないことだった。

「Read & Burn 03」と 『Object 47』がリリースされたあとは、マーガレット・フィードラー・マッギネスをギターに迎えてツアーをやった。今回の『Red Barked Tree』制作中の2010年のレコーディングでは、そのツアーで得た創作面での自信と恩恵にあずかった形だね。ぼくら3人が一緒に演奏し、学び、曲をレコーディングしたこと自体が、『Red Barked Tree』のバックボーンになってるんだ。まるで『Chairs Missing』を録音したとき...静かな自信と熱狂を爆発させたあの頃とちょうど平行になるような気分だったな。

ちなみに『Chairs Missing』に入っていたワイアー史上最もポップな曲と思える「Outdoor Miner」は、どんなふうに作ったか覚えてますか? 今でも大好きなんですけど(笑)。やはりアコースティック・ギターで...ですよね?

コリン:「Outdoor Miner」と「'Practice Makes Perfect」「I Am The Fly」の3曲(注:どれも『Chairs Missing』収録)は、ワイアーの真髄とも言えるかもしれないね。もちろんすべてアコースティック・ギターで作った曲だよ! 曲の構成部分(最初、中間、終わり、ストップ、スタート、サビ、コーラス)を全部作ってから、基本的なリズムを加えて作ることが多い。アコースティック・ギターで弾くほうが、エレクトリック・ギターよりリズムが出しやすい感じがするね(まあ、ぼくの場合は...だけど)。エレクトリック・ギターは音がやわらかいけど、アコースティック・ギターだと堅くてパーカッシブな音が出るからリズムを作りやすい。

グラハム:「Outdoor Miner」の歌詞は、夏のある朝、起きてすぐに書いたんだ。歌の内容は、それぞれ異なる生物...主に昆虫たちの、異なるライフサイクルについてのもので、彼らの誕生、生活、そして死について書いている。ヒイラギの葉を食べて、葉の上に目に見えるくらいくっきりした食べあとを残すサーペンタイン・マイナー(注:羽虫の幼虫の一種、葉潜性昆虫)などについてフォーカスしてる。サーペンタイン・マイナーの食べあとは人生の旅...みたいな?

『Red Barked Tree』という新作のタイトルにこめられた思いは?
 

コリン:前作『Object 47』のタイトルを決めたときなんかは、正直レコーディングよりも大変だったよ(笑)! それで今回はアルバム制作のもっと早いうちからタイトルを決めようと強く思ってて、収録曲「Red Barked Tree」からタイトルを取ることにしたんだ(ぼく個人の意見だけど、アルバムは唯一無二のものじゃなきゃいけないと思うんだ。じゃないとただの曲の寄せ集めだからね)。

 言葉の叙情的な感じが気に入ったし、それにこの曲はグラハムの曲だったから、ぼくがこれを推した事に驚いてたし、すごく喜んでた。それで、今回のタイトルは2分で決まった(笑)。

グラハム:今 コリンが言ったとおり、『Object 47』のタイトル決めは本当に大変だった! ジャケットのイメージができたときやっと、タイトルが決まったんだ...。
ぼくが書いた歌詞に「Red Barked Tree」とタイトルをつけたとき、これはアルバム・タイトルにも使えるかもな、って考えが一瞬よぎったりもしたんだけどね。まあ、それはともかく、制作の早い段階でタイトルが決まったから、タイトルに合ったような楽曲をそろえるのにずいぶん時間もかかったけどね。

ブルース・ギルバートの脱退について、なにかコメントをいただけますか?
 

コリン:まあ、おかしな話だな。一緒にいろんなことをうまくやってきて、それをやるならこのメンツしかない、と思うような人たちがいるとするよ。それでそのうちの誰かか去ったら、それでも以前のまま、そのままやれるように、新しく形をつくらなきゃいけない。...つまり、ワイアーとしてね。

 ブルースはバンドを去る理由を何ひとつ言わなかったんだ。状況としては、脱退する理由はいくらでもあったし、と言ってもある意味常にあったものなんだけどね。それでも何も言わないってことは、まあ、何というか、明らかだよね。ぼくが思うに多分彼は、丘の上に岩を押し上げるような大儀をもうやりたくなくなったんだと思う。彼にとっては良かったと思うし、元気にやっていってほしいけどね。彼の「替え」となる人を探そうなんて思わない。彼がバンドに残した穴は大きくて、それをどうにかするのも大変だったけど、ぼくらはやり遂げたし、ある意味今まで以上に強くなれたと思うよ。運命っていうのはおかしなものだね。

グラハム:2004年に、ブルースがEメールで脱退すると告げてきたとき、何も理由は書いてなかったし、説明を求める余地すらなかったんだ。ワイアーとしては本当に窮地だったよ。だけど、この先どんなことが起こっても、グループが解散することはないと思う。ワイアーは今、前よりもずっと強くなったからね!

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数ヶ月前にはギャング・オブ・フォーが新譜を出したし、今年の日本の夏フェス(サマーソニック)にはザ・ポップ・グループとパブリック・イメージ・リミテッドが出演します。彼らに、同世代バンドとしてのシンパシーを感じますか?

コリン:それはある意味、質問の中に答えがすでにあるかもしれないな。彼らとの共通点は年齢くらいだね。彼らはどちらも初期の作品をメインとして活躍してるし、それには限りがあると思うんだ。日本ではどうなのか知らないけど、ヨーロッパと北米では、ワイアーは華々しい過去を持つ「今」のバンドという認識だと思うよ。新作の『Red Barked Tree』は今までのぼくらの作品の中でも一番売れたアルバムだしね。

グラハム:もし今の質問を、ぼくらがロイヤル・フェスティヴァル・ホールとかリヴィング・リジェンズ・シリーズなどでギグをやっていた2000年頃に訊かれたら、確かに彼らにシンパシーは感じたかもしれない。でも今は2011年で、ワイアーは2002年から、古い作品の再構築をやりつつ、新しい作品を作ってるからね。コリンが言うとおり、『Red Barked Tree』はぼくらの作品で一番売れて、一番受け入れられたアルバムだよ。


また、今年はコーチェラに出るなどいろいろなバンドと接する機会も多いと思いますが、最近の新しいバンド、ミュージシャンで面白いなと思う人はいますか?

コリン:もっとそういう場面でいろんなバンドに会う機会があったらよかったな。コーチェラでは本当に忙しくて、空き時間も全然なかったんだ。会う約束をしていた人たちにすら会えなかったくらいでさ...(注:よくわかる...)。

 ぼくはマシンと生のドラムでライヴをやるバンドが本当に好きだから、ホーリー・ファックやファクトリー・フロアーみたいなバンドが好きだね。個人的にもよく知ってるよ。新しい音楽を取り入れるという面については、この3年はずっとツアーに出てたから...3大陸、18ヶ国、そして多くのショウ! 生きのこるのがやっとだったよ。けど、マット・シムズ(Matt Simms:イット・ハグス・バック...It Hugs Backというバンドのギタリスト)のことは言っておかなきゃいけないね。彼はもう1年以上ぼくらと一緒にライヴをやっているんだけど、本当に天才的な才能があって、世界から賞賛を受けるにふさわしいと思うよ。

グラハム:ぼくもホーリー・ファックやファクトリー・フロアーが好きだよ。あと最近では イタリアの作曲家のTeho Teardo(注:読めません...。すみません...)の作品を聴いたり、先週の土曜には、スウェーデンのウプサラで開催されたヴォルト・フェスティヴァルで アルヴァ・ノト(Alva Noto)のショウを観たな。カーステン・ニコライ(Carsten Nikolai)は凄かったよ。あと、スウェーデンの友だちのボブ・フンド(Bub Hund)の今年出たセカンド・アルバム(注:彼はスウェーデンのインディー・リジェンドと言われているが、初めてソロを出したのは最近)もとても興味深い内容だったし、スパニッシュ・ワンダーズ(Spanish Wonders)の 『Luger』もおすすめだね。あと、コード9・アンド・ザ・スペースエイプ(Kode9 + The Spaceape)にも最近ハマっているよ。


オフィシャル・サイトでは楽曲のフリー・ダウンロードや、「リーガル・ブートレッグ」(「合法の"違法録音"音源」)の有償配信などをされていますが、これを公開している狙いは? また、現在問題化している違法ダウンロードに対する考え方などを教えてください。

コリン:そうだね。サイトではフリー・ダウンロードをやっていて、あと「リーガル・ブートレッグ」はちょっと高いけど、9枚のアルバムを全部セットで購入するとDVDもついてくるからおすすめだね(笑)

 無料の音源にぼくらが立ち向かうというのは正直とても大変だ。人々が「全ての音楽が無料」だと思っているとして、一体誰が音楽を作るモチベーションを維持できると思う? いくら皆がその作品を好きだと言ってくれたとしても、その音楽で生きていくことすらできないのに? もし本当に音楽が全部無料になったとしたら、一部の、趣味で音楽をやっているような人たちがリリースすることになる。もしかしたら少しは宝石のような作品が出てくるかもしれないけど、それでもクリエイティヴィティの面で良いこととはとても思えないよ。自分の時間を全て捧げるからこそ、その人は発展していくものだし、良いものはフルタイムのキャリアでなければ生まれないんじゃないかな。

 ここは本当に、皆にしっかり理解してほしいんだけど、音楽を手に入れたいなら必ずお金を払うべきだと思う。そして、音楽産業の側には、ただ無料のものをいろいろ配布するのではなく、購入の手段を常に改良し続けてほしい。皆が曲を見つけやすく、そして買いやすく(これはいろんな意味で)すべきなんだ。iTunesのApp Store がいい見本になるね。ワイアーのようなインディー・アーティストはにとっては。ぼくはピンクフラッグ(Pinkflag)っていうレーベルを運営しているんだけど、そういうアーティストは、もっと売るもの自体についても、リリースのフォーマットについても、どうやって皆の手に渡るかというところも全部考え、イノヴェーティヴな姿勢でいることが一番重要だ。ピンクフラッグはもともとファンともっと直接交流したいという気持ちから始まっているレーベルだから、通販(デジタル・ダウンロードも含めて)と、ショウでの直接販売がコアになっている。皆はメーリング・リストとサイトで情報を受け取ることができるし、こういう基本のシステムがあるからこそ「リーガル・ブートレッグ」シリーズみたいなリリースができる。もちろん、ヨーロッパと北米のディストリビューターや、各国のライセンサーのおかげで、UK拠点のレーベルで直接取引が難しいマーケットにも出ていけるんだけどね。


来日公演、楽しみにしています。それに向けた意気込みなどがあれば、聞かせてください!

コリン:代官山ユニットから出演のオファーをもらったのは、ニュー・ヨークでソールドアウトになったショウをふたつやって、全国ネットTVのジミー・ファロン・ショウに出演した2日間の滞在中だったんだけど、本当に嬉しかったよ! ここ最近では日本ツアーをあまりやっていなかったからね。1月のオーストラリアとニュー・ジーランドのツアーのときは日本には行けなかったし、あとアジア圏でもツアーを予定してたけどそこにも日本は入ってなくてすごく残念に思っていたんだ。

 これまで日本に行ったときはいつも本当に楽しかったし、それに、今年の初めにきみたちの国で起こった悲劇的な出来事のあとに東京に行くというのは、とても意義のあることだと思うんだ。メンバーの何人かは家族を一緒につれて行く予定だし、2日間滞在を延長して観光を楽しむつもりだよ!


グラハム:日本に行くときはいつも楽しみだし、毎回、日本のカルチャーを少しずつ理解しようとしてるんだ。コリンも言ってたとおり、今回は観光で東京に2日間滞在するんだけど、こんなにゆっくりできることなんてまずなかったから、すごく贅沢だなって思っているよ!

2011年6月
質問作成、文/伊藤英嗣
質問作成捕捉、翻訳/HigherFrequency(www.higher-frequency.com


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ワイアー
『レッド・バークト・トゥリー』
(Pinkflag / P-Vine)

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