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MAY.E


言葉で損なわれる雰囲気って

あると思うんですよ


去年11月、may.e(メイ・イー)のセカンド・アルバム『私生活』を手に入れた。アコースティック・ギターによる素朴で心地よいメロディー、語感の良い言葉で紡がれた歌詞、そしてほんの少しトリッピーなサウンドスケープ。これらが交わる『私生活』に、筆者はすっかり魅せられてしまった。


may.eについて簡単に説明しておくと、現在22歳の彼女は、愛知県出身のシンガーソングライター。去年5月にファースト・アルバム『Mattiola』をリリースし、インディー・ミュージック・シーンで注目を集めた。レヴューでも書いたが、『Mattiola』はビーチ・ハウスを想起させるドリーミーなアシッド・フォークになっている。こちらも必聴レベルの作品なので、ぜひ聴いてみてほしい。


インタヴューは渋谷の宇田川にある飲食店でおこなったのだが、実を言うと当日、筆者は前日に開催されたマッド・プロフェッサーのオールナイト公演で体を揺らし、そのあとシャワーを浴びてからインタヴュー場所に向かったので、一睡もしていなかった。しかも注文した小倉カフェオレ(カフェオレにあんこと生クリームが乗っている)の予想以上の甘さにやられ、睡魔に牙を剥かれてしまった。それこそ、『私生活』収録の「おちた生活」に登場する一節、《このまま無力でありたい》という状態。


それでも、22歳とは思えない大人びた横顔が印象的な彼女は、丁寧に回答してくれた。


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AI IWASAKI


やっぱり、シンガーというか

ひとりでやってる人が好きですね


それがポップ・ミュージックであるかぎり、最大瞬間風速的なインパクトは当然ある程度必要になってくる。しかし、21世紀という言葉をわざわざ使うのもはばかられるようになった今、リリース・タイミングという「時間」の制約に「あまりにも」しばられるのは、おかしいのではないか。心ある人たちは、そのことに気づきはじめている。


約1年前にリリースされた岩崎愛のアルバム『東京LIFE』を、ちょっと久々に聴きなおしてみて、ぼくはそんな思いを新たにした。


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PRIMAL SCREAM


暗がりの時期から脱けだして、いい時期に

向かっていくようなものであってほしい


さて、みなさん、プライマル・スクリームのニュー・アルバム『More Light』は、もう聴かれただろうか?


このインタヴューは、それがほぼ完成したころ、彼らとは旧知の仲であるUKジャーナリスト、ジェームズ・ブラウンが中心人物ボビー・ギレスピーに聞いたものだ(ちなみに、このインタヴューのあと、1ヶ所だけ急遽曲順が変わっている。最終的に、このインタヴューで「12曲目」と言われているものが11曲目、「11曲目」と言われているものが12曲目になった。ほかは変わっていない)。


もちろん「旧知の仲」とはいっても「アーティスト対ジャーナリスト」、決して「なあなあ」になっていないどころか、その対極、いい感じの「丁々発止」。そして彼は『Screamadelica』25周年記念盤ボックス・セットで、実に力の入った長文インタヴューを担当していた人だけあって、単なる「公式インタヴュー」を超えた「決定版」ともいえる内容になっている。


11月初頭の来日を前に、クッキーシーンでは、その全文を完全ノーカットで発表する。内容が深すぎて、アルバムを聴かないとふにおちない部分があるかもしれない。できれば、すでにアルバムを入手された方は聴きくらべる形で読んでほしい。そして、これで彼らの音楽に少しでも興味を持ってくださる方がふえればさいわい...とか思ったり...(これ読んで、逆に「なに、こいつ? うぜー!」と感じる方もいるかも? まあ、それはそれで...:笑)。


では、どうぞ!

2013_03_primal scream_A1.jpgphoto by Niall O'Brien

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ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK (OMD)


ぼくは昔から「戦争」と「宗教」という

ふたつのテーマに魅了されてきた


今年前半に発表された、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク、略してOMDのニュー・アルバム『English Electric』、リリースから数ヶ月たってもその魅力はまったく色あせていない。


80年代にデビューしたUKのエレクトロニック・バンドとしては、ほぼ同じころ、デペッシュ・モードもペット・ショップ・ボーイズもニュー・アルバムを発表している。OMDは彼らほどビッグ・ネームではない分、話題になることが少なかったかもしれない。しかしぼくは最近、おもしろい体験をした。今とても注目しているグラスゴーのエレクトロニック・ユニット、チャーチズ(今年のサマーソニックにも出演)のデビュー・アルバムを、先月(幸運にもリリース前に)聴けた。先行EPを聴くかぎり、もうちょっと暗めの...そう、90年代以降のデペッシュ・モードっぽくなるかな? と思ったら、そうでもなかった。もうちょっとポップで明るかった。そこで、ぼくの頭に浮かんだのが、彼ら...オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク、略してOMDの名前だった。


もちろん、直接的影響云々とか関係なく、もっと大きな、時代...「ポップ・ミュージックの趨勢」の流れとでも言おうか。


クッキーシーンとしては、2010年に、彼らが久々(24年ぶり!)のニュー・アルバムをリリースした際にも、彼らのインタヴューを掲載している


この機会...プライマル・スクリーム「公式インタヴュー・フル・ヴァージョン」をアップしたタイミングで、こちら(OMD)は、「公式インタヴュー」から中心人物アンディー・マクラスキーの発言のいくつかをピックアップした形の記事をお届けしよう。


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PASSION PIT

正しい場所を見つけられたのかというと
まだ見つけることはできていない気がする



2012_08_passion pit_A1_IMG_9288.jpg全米初登場4位を記録したセカンド・アルバム『Gossamer』は、パッション・ピットの特徴である煌びやかなポップ・サウンドに磨きがかかり、さらにはマイケル・アンジェラコスのソングライティング能力の向上が窺えるなど、本当に素晴らしい作品となっている。

とはいえ、『Gossamer』の制作過程はマイケルにとってかなりハードなものだったようだ。

そんな『Gossamer』について今回マイケルから話を聞いたわけだが、インタビューを終えたとき、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンが残した言葉を、筆者はふと思い出していた。その言葉は次のようなものである。

「陽気なポップスを作るのが陽気な人間だと思ったら大間違い」。

この言葉、マイケルにピッタリ当てはまるような気がしてならない。そう思えてしまうインタビューだった。


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THE VACCINES

台風の目は静かだって言うけど
今はその目のなかにいるのかもしれない

ファースト・アルバム『What Did You Expect From The Vaccines?』が全英で最高位2位を記録するなど、いまやイギリスを代表するバンドに成長したヴァクシーンズ。とはいえ、インタビューにも出てくるアルバート・ハモンドJr(ストロークス)とのエピソードから伝わってくるのは、ある種の少年心というか、音楽に対しての純粋な姿勢である。そんな彼らがセカンド・アルバム『Come Of Age』を上梓した。プロデューサーにイーサン・ジョーンズを迎えて作られた本作は、ヴァクシーンズらしいストレートなロックンロールが鳴っているものの、ほんの少し"憂い"もある。そのへんのことも含め、フレディ―・コーワン、ピート・ロバートソンに語ってもらった。

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photo by Jesse Jenkins

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FOUNTAINS OF WAYNE

何千年も昔、人は星を
空に開いた穴だと思っていた


ファウンテインズ・オブ・ウェインの最新アルバム『Sky Full of Holes』がリリースされてから、早いもので、もう約1年たってしまう。2011年の夏といえば(少なくとも、ぼく...伊藤としては)震災によって被った心の傷に、まだかさぶたもかぶっていないくらいのタイミングだった。そんなとき、気持ちを(わずかでも)おちつけるために、そのアルバムがどれだけ役にたったことか...。

"現実から目をそらす"のではなく、それをふまえたうえで気持ちをアップ方向にもっていくことができる。彼らの音楽は、常にそんな感じだった。ちょっとねじれた歌詞と極上のメロディー。4年ぶりの新作『Sky Full of Holes』は、久々にアコースティックな...風通しのいいアレンジが前面に出ており、本当に夏向きのアルバムとなっている。この2012年の夏も、たぶんおおいに聴いてしまうだろう。

そしてこの夏、彼ら自身が日本に来てくれる。いよいよ目前に迫ったアジアン・カンフー・ジェネレーション主催NANO-MUGEN FES.(開催は7月15、16日! 3連休後半だ!)出演のために。彼らは今年前半にも一度ジャパン・ツアーをおこなっているので、すごく短いスパンでの来日となる。うれしいことだ! 中心人物のひとり(ソングライターでもリード・シンガーでもないけれど、スポークスパーソン的な意味も含み「中心人物」という気がする:笑)のアダム・シュレシンジャーは、NANO-MUGEN FES.でのライヴについて、こんなふうに語っている。「全部のアルバムから少しずつプレイすることになると思う。新しい曲ももちろんプレイするけど、いくつかずっとプレイしていなかった古いレコードからのサプライズ・ソングもプレイするんじゃないかな」。おおっ! って感じ。

クッキーシーンは、『Sky Full of Holes』がリリースされたとき(いろいろ、どたばたしていて)インタヴューのタイミングを逃してしまった。是非とも聞いてみたいことがある、できればこの機会に!...というわけで、2012年における再来日直前、アダムにメールで聞いてみた!

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MY BLOODY VALENTINE

全部がただひとつの音に聞こえるような
レコードを作りたいと思っていた


その後の音楽の流れを完全に変えてしまったアルバムというのは、もちろんいくつか存在する。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインというバンドが1991年にリリースしたアルバム『Loveless』も、あきらかにそのひとつだ。

決してバカ売れしたものではない。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは、いわゆるロック・スターでもない。だがその一方で、カルト的ステイタスに甘んじる「仙人的」なやつらでもない。ただ、1991年以来まったく新作アルバムを発表していない彼らが、そんなふうに見られる傾向があることもたしかなのだが(笑)。

ここ数年「出る出る」と言われていながら、なかなかリリースされなかった『Loveless』のリマスター盤が、この2012年5月、とうとう世に出た。それは、ある種の音楽ファンにとって重大な事件だった。たとえば、こんな言葉に反応するようなひとたちにとって...。

「(マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『Loveless』に入っていた)『Soon』(という曲)は、ポップの新しいスタンダードになるだろう。かつてヒット・チャート入りした曲のなかで、これ以上に曖昧で不明瞭なものをぼくは知らない」by ブライアン・イーノ

90年代初頭における彼のこの発言は、それから20年後にふりかえってみると、実に当を得ていたものだったことがわかる。

『Loveless』のみならず、彼らがそれ以前にリリースしていたもう1枚のオリジナル・アルバム『Isn't Anything』も、そしてレア・トラック満載の貴重なコレクション『EP's 1988-1991』も(もちろん全曲リマスタリングされて)一気に発売されたことを記念しておこなわれた、中心人物ケヴィン・シールズのインタヴューをお届けしよう。

2008年のフジロック以来となる、2013年2月の来日公演スケジュールも発表された。それを待ちつつ、お楽しみください!

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ptoto by Mitch Ikeda

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MOTION CITY SOUNDTRACK

ただ「ファック」って言わなきゃいけない
ときがあるのも事実なんだ


photo by Anthony Saint James
2012_07_MCS_A1.jpgアジアン・カンフー・ジェネレーションが主催しているNANO-MUGEN FES.の開催が、今年もいよいよ迫ってきた。7月15日と16日、横浜アリーナにて。

このフェスティヴァルをクッキーシーンが以前(雑誌時代)から注目してきた理由は、それが洋楽と邦楽、どちらかだけに重きを置いたイヴェントではないから。もちろんフジロックもサマーソニックも「洋邦とりまぜた」ものではあるけれど、やはり客観的に見て主役は洋楽だろう。そこに、いい感じで邦楽バンドも混ざっている。

NANO-MUGEN FES.も、主役はアジカンをはじめとする邦楽バンドだろうって? いや、たしかに、最初はそうだった。2003年にスタートした段階では邦楽バンドしか出演していなかった。しかし、2004年におこなわれたふたつのイヴェントのうち大阪会場にザ・クリブスが出演して以来、2005年にはアッシュやファラー、2006年にはザ・レンタルズやシルヴァー・サン、そして昨2011年にはマニック・ストリート・プリーチャーズやウィーザー...といった面子が登場。これで「邦楽中心のフェス」と言ったら、まったくもって非論理的だ...。

それだけではない。そこに登場する海外バンドが、どれもアジカンに影響を与えた、もしくは彼らが同時代的シンパシーを持っている者たちであることは特筆に値する。アジカンのような、普通の邦楽ファンにも人気の高い日本のバンドがこのような試みをつづけていることは、客観的に見て「日本における洋楽」に対して悪いことであるはずがない。はっきり言って、素晴らしい。

そして、今年のラインアップが発表になったとき、ぼく(伊藤)は仰天した。「うわあああっ!」と叫び声をあげてしまったくらいに。ファウンテインズ・オブ・ウェインとモーション・シティ・サウンドトラックが同じ日に(連日)出るんですか!? これ、すごすぎ。ある意味、夢のようだ...。どちらも、最高に「パワフルでナードっぽいスーパー・ポップ」をクリエイトしてきたバンド。ぼくとしては、このふたつのバンドとアジカンの音楽性は実に自然につながると思うのだが、一般的にはファウンテインズとモーション・シティのファン層さえ意外にかぶっていないことも知っている。後者のサード・アルバムは、元カーズのリック・オケイセックと並んで、前者のアダム・シュレシンジャーもプロデューサーとしてフィーチャーされていたことが、いまいち大きなバズに結びついていなかった。なんでだろう? 残念だ...という当時の思いも含み、この並びを見て余計にうれしくなってしまった。

もちろん、ほかのラインアップもグレイト。詳しくはここ...今年のNANO-MUGEN FES.サイトを見ていただくとして、クッキーシーンでは、モーション・シティ・サウンドトラック、そしてファウンテインズ・オブ・ウェインのインタヴューを連続で(過去数ヶ月、インタヴュー関係のアップが止まっていたことからすると、なぜ今度はこんなに早く? というくらいの速攻ノリで)お届けする。

まずは、モーション・シティ・サウンドトラック。実はこのインタヴュー、クッキーシーンのメイン舞台を紙媒体(雑誌)からウェブに移行するための準備をおこなっていたころ敢行されたものだ。いわゆる「新譜インタヴュー」(新譜のプロモーションのためにおこなうインタヴュー)ではないこともあって、ぼくが個人的に以前から聞きたかったことを、がんがん聞いている。ただ、なんとなくどたばたのなか発表の機会を逸していた。それを、ついに掲載できる。とてもうれしい。

さらに言えば、これ、ちょうど日本のバンド、既に解散してしまったビート・クルセイダースとの対バンの翌日におこなわれたもの...という意味で、なんとなくこのタイミングで発表するのも美しいだろう...と...! 久々に見なおしてみて、偶然アジカン関係のことも話題に出ていて、自分でもちょっとびっくり...。もちろん、リリースされたばかりのモーション・シティ・サウンドトラックの素晴らしいニュー・アルバム『Go』については(当然)聞けてないけれど、そのアルバムに対するぼくからのコメントは、インタヴュー・パートのあとに...。

というわけで、まずは、2010年3月におこなわれたモーション・シティ・サウンドトラック、ジャスティン・ピエール(ヴォーカル)、トニー・サクストン(ドラムス)のインタヴューを、どうぞ!


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OWEN vs RYO HAMAMOTO

それって、ずいぶん
難しいカヴァーなんじゃないの(笑)?


シカゴから素晴らしいうたを届けつづけてくれる、オーウェンことマイク・キンセラ。ジョン・オブ・アークのティム・キンセラの実弟でもある彼が、この3月、オーウェンとしては6度目の来日を果たした。そのツアーの多くに同行したのは、リョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウェットランド名義の、これまた感動的なファースト・アルバムをリリースしたリョウ・ハマモト(前月...2012年2月におこなわれた彼の単独インタヴュー記事は、こちら)。

クッキーシーンでは、彼らが初めて対バンした名古屋ハポンでのライヴ前に、彼らふたりの対談を敢行した。この段階では、ほぼ初対面だった彼らだが、さすが音楽家(そして熱心な音楽ファン)同士、すぐにうちとけ、交流を深めていった。

この対談ではダイナソーJr.も話題にあがっている。4月23日ごろまでの期間限定「表紙」に使用した写真(4月25日ごろ以降は、このリンクをクリックしても「表紙」写真が別のアーティストに変わっているので注意)は、その数日後、東京のフィーヴァーにおいて、ふたりでダイナソーJr.のカヴァーを演奏したときのものだ。マイクはドラムを叩いている。ワン・パーソン・ユニットであるオーウェンを始める前、マイクはティムとともにキャップン・ジャズというバンドをやっていた。そこで、そしてティムのジョン・オブ・アークでもマイクはドラムを叩いている。そういえば、ダイナソーJr,のJ・マスシスはドラマーでもあったよな...とか思いつつ、では、どうぞ!

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ハポンにおけるサウンドチェックの模様。photo by Kyohei Tsuchiya
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