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EVERYTHING EVERYTHING

ポップへの愛は抱きつつ、つい惹かれちゃうんだよね
ストレンジな要素を入れちゃうことに


忙しなく跳ねまわるメロディとファルセット・ヴォイス、マス・ロック的な複雑な構成を魅せるバンド・サウンド。コーラス・ハーモニーは奇妙さも内包しながら神々しい響きもときおり魅せるが、唄われる歌詞にも二重三重の知己に富んだ意味が委ねられ、その音はファンクともソウルフルともプログレッシブとも形容しうるし、そのうえポップでキャッチーなところも兼ね備えていて...。

マンチェスター出身のニューカマー、エヴリシング・エヴリシングは、目新しさという点で長年低迷と目されている英国ロック界のなかで圧倒的な存在感と貴重なオリジナリティをもった、まさしく待望のバンドと位置付けることができるだろう。いい意味でのヒネくれ方に、演奏力も表現力も新人離れしている。

最高のタイミングで日本限定リリースされたミニアルバム「Schoolin'」と、楽曲の複雑さはそのままに激しくエモーショナルに鳴らされたサマーソニックでのパフォーマンスで、"英国らしさ"にうるさい日本の音楽ファンの心も一気に鷲掴みにした彼ら。少し遅れての掲載となってしまったが、サマーソニックの翌日、渋谷Duo Music Exchangeでのライブ直前にヴォーカル/キーボードのジョナサンと、ベース/キーボードのジェレミーに話を聞いた。


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DETROIT SOCIAL CLUB

もしデヴィッド・リンチの電話番号をご存知だったら
「僕がスコアつけますよ」って伝えてもらっていい(笑)?


UK北部のニューキャッスルから現れた大型新人バンド、デトロイト・ソーシャル・クラブ。アルバム『Exitence』のもつ音の黒さにサイケデリックなムードと重く崇高な演奏はすでにスタジアム・バンド級の貫禄で、NMEなど現地マスコミやオアシスを初めとした大物バンドの支持を得て早くも人気爆発の兆しを見せている。

デトロイト・ソーシャル・クラブはバンドという体裁をとっているが、ヴォーカルのデヴィッド・バーン(超有名なアチラのデヴィッド・バーンとはスペルが微妙に違う:笑)の実質的なソロ・プロジェクトである。フジロックで魅せた正にロックンロールな激しいステージングと、英国ロックの伝統のひとつである不良っぽい佇まいにインタヴュー前は正直若干ビビっていたが、実際に話してみると実にイギリス人らしい、気さくでよく喋るお兄さんでイメージとのあまりのギャップに面喰ってしまった。サービス精神とユーモラスなへらず口(いい意味で!)も一級品だが、アートについての教養の深さも垣間見せる好人物な彼とのインタヴューをお届けしよう。


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SUPERCHUNK

9年間あまり活動していなかった間もサポートしてくれたファンを
驚かせてエキサイトさせるようなものを作りたかった


スーパーチャンク・イズ・バック!!! 昨年リリースされた「Leaves In The Gutter」EP(日本盤はライヴ盤が付いた二枚組)や、最高だった来日公演からも予想出来た通り、9年振りのニュー・アルバム『マジェスティ・シュレッディング』は、21年目のバンドだとは思えないくらい若々しくてエネルギッシュな傑作に仕上がっている。ヴォーカル/ギターを担当するバンドの中心人物であり、マージ・レコーズのボスでもあるマック・マコーンにいろいろな話を聞いた。

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EDWYN COLLINS

レコーディングのやり方からも
本当にオリジナルな音が生みだされてきてると思う


日本では、元オレンジ・ジュースの中心人物ということから、いわゆる「ネオアコ」イメージでとらえられることの多いエドウィン・コリンズだが、正直「日本におけるネオアコ・イメージ」とオレンジ・ジュースは、相容れない部分も少なくなかった。たとえば今このサイトに掲載されているインタヴューだけでも、マニック・ストリート・プリーチャーズザ・ドラムスが嬉々としてエドウィンについて語っている...なんて事実からも類推されるとおり、彼が80年代以降現在に至るさまざまなバンドたちに与えた影響は、あまりに大きい。

90年代なかばには、傑作シングル「A Girl Like You」を含むサード・ソロ・アルバム『Gorgeous George』を世界中で大ヒットさせている。その曲が1994年から1995年にかけてのオン・エア・チャートを席巻しまくった本国UKやヨーロッパ(当時UKにいる機会が多かった筆者だが、本当にもうそこらじゅうでかかっていて、びびった)はもちろんのこと、アメリカでもバーナン(Bar/None)という極小インディーからのリリースでありながら全米トップ40に食い込み、ビルボードなど業界誌でも騒ぎになっていた。ここ日本でも、メジャー傘下ながら最初はインディー・ディストリビューションで数千枚を売り切り、少しあとにメジャー・ディストリビューションで数万枚単位の再発がおこなわれた(筆者=質問作成者がやっていたレーベルだし、数字的にもまったくウソはないですよ:笑)。

00年代に入ると、その90年代に自ら設立したスタジオでリトル・バーリーやザ・クリブスのプロデューサーとしても敏腕をふるいつつ新しいアクションが期待されていた。ところが今から数年前、突然脳出血で倒れ、存命さえあやぶまれていたのだが、ついに奇跡の復活をとげた。

そして最高のニュー・アルバム『Losing Sleep』を完成させた!

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まずは、すでにユーチューブにアップされている、アルバム・タイトル曲「Losing Sleep」のクールなモノクロ・ヴィデオ・クリップを見て/聴いてほしい。

この曲のレコーディングに参加した(リトル・バーリーの)バーリー・キャドガンも映っているようだ(彼らの音楽は好きだけどヘヴィーなファンではないので、はっきりわからなくて、すみません:汗)。そして、エドウィンの作品には『Gorgeous George』のころからずっと参加している(90年代なかばの、今のところエドウィンの最後の来日公演にも同行した)元セックス・ピストルズ、ポール・クックの勇姿も!

アルバム『Losing Sleep』全体には、ポールやバーリーのみならずザ・クリブスのライアン、同じく現ザ・クリブス/元ザ・スミスのジョニー・マー、ほかにもザ・ドラムスや(同郷グラスゴー出身で、オレンジ・ジュースの再発をドミノがおこなっていることを考えた場合レーベル・メイトともいえる)フランツ・フェルディナンドの面々、さらには盟友ロディー・フレイム(=アズテック・カメラ)といったキラ星のようなミュージシャンたちが参加して、エドウィンをいい形で盛りたてている(ちなみに、取材後にCD現物を見て気づいたのだが、元アズテック・カメラのドラマーでフリッパーズ・ギターの作品でも叩いていたデヴィッド・ラフィーも参加している。同名異人でなければ)。

というわけで、このアルバムおよびエドウィンの現状にせまるべく、電話インタヴューをこころみた。エドウィンと並んで、グレース・マックスウェルという女性も登場している。

彼女はエドウィンの「姉さん女房」的存在。エドウィンとにあいだにひとり息子がウィリアムがいる家庭内のみならず、ソロ・アーティストとなってからのエドウィンの音楽活動面もずっと仕切ってきたマネジャーだ。90年代に先述の大ヒットを飛ばしたあとも、エドウィンはビッグなマネジメント・オフィスとは契約せず、プライヴェート・マネジメント・スタイルで、DIY的に活動をつづけている。グレースは、公私ともにエドウィンのよきパートナーであり、脳出血後の最初は朦朧とした状態から始めてエドウィンが作りあげた新作『ルージング・スリープ』の、ある意味最も重要なスタッフといえるだろう。

基本的に「反保守派」であるエドウィンは、90年代なかばの段階でも、彼女との「籍」を入れていなかった。今はわからないけれど...というか、日本盤ライナーノーツ(無署名ではあるが力の入ったいい原稿。おそらく海外のライター氏によるものだと思う)によれば、エドウィンが脳出血で生死のあいだをさまよったあと、最初に発することができた言葉は「グレース」「マックスウェル」「イエス」「ノー」だけだけだったという。泣ける話ではないか。

OMD

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OMD (ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK)

年寄りがつまらないレコードを作るのは
彼ら自身がつまらない気持ちでレコードを作るからだよ


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オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ダ・ダーク...闇にまぎれたオーケストラ的戦略...、略してOMD。そう名乗る彼らは、70年代末にリヴァプールから登場したエレクトロニック・バンドだ。ほぼ同時期にシェフィールドから登場した初期ヒューマン・リーグやキャバレー・ヴォルテール、エセックスで結成されたデペッシュ・モードが今も一定の評価を受けているのに比べ、彼らに勝るとも劣らない素晴らしさだったOMDの知名度が、現在とくに日本で低すぎるのはなぜだろう?

その理由は、なんとなくわかる。たとえば出世作となった1980年のシングル「Enola Gay」には、広島に原子爆弾を投下したアメリカの戦闘機の名前をタイトルに冠するなど、その一見脳天気なメロディーとは相容れないテーマ性が隠れていた。逆に、60年代の有名なポップ・ソングからタイトルだけを拝借した1984年の「Locomotion」という曲(これだけ有名な曲のタイトルを「パクる」なんて並の神経ではできない:笑)が入っていたポップかつエクスペリメンタルな傑作アルバムは『Junk Culture』と題されていた。なんて素敵なタイトル! こういった、ちょっとねじれた皮肉っぽさが、「単純にクール(だということがわかりやすい)」ものを求める層には理解しづらかったのかもしれない。

彼らの魅力のひとつは、ポップかつキャッチーであること。だけど、アイディア一発のエクスペリメンタルなサウンドも刺激的。1981年の傑作アルバム『Architecture & Morality』などには、はかない美しさも漂っていた。OMDの音楽は、ある一定のイメージでとらえることがむつかしい。80年代を代表する青春映画『プリティ・イン・ピンク』で使用された1986年の「If You Leave」も、あまりにヒットしすぎた。オリジナル・アルバムには入っていない、サウンドトラックからのシングル・カット・オンリーだったこの曲の大成功が、彼らのイメージをさらに拡散させてしまった。超名曲だと思うし、いまだに大好きなんだけど...。

1979年のデビュー・シングル「Electricity」は、最初マンチェスターのファクトリー・レコーズから出たあと、メジャー傘下レーベルから新ヴァージョンが再リリースされた。このヴィデオは、当時の、いわゆるポスト・パンク的なノリをよく伝えている。あのままファクトリーにいつづけたら、今も「クール」な存在と目されていたのだろうか? 歴史に「もしも」はないとはいえ、よくわからない...。

そんな彼らが、80年代の全盛期のラインアップで活動を再開していたことは寡聞にして知らなかった。しかし、突然届けられた(このラインアップとしては)24年ぶりのニュー・アルバム『History Of Modern』が、マジで、いい!

80年代前半まで(ヴァージン系に移籍したあとも)彼らのアートワークを手がけていたピーター・サヴィル(ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーなど、ファクトリーの一連の作品のアートワークで知られるデザイナー)と27年ぶりに組んだことも注目される。とりあえず、リード・シングル「If You Want It」のオフィシャル・ヴィデオをチェックしてみてほしい。この、実録ドキュメンタリーなのかアートなのか悪ふざけなのかよくわからない感じも、実にOMDっぽい(というか、最高!)。

そして、少しでも彼らに興味を持ったら、是非以下のインタヴューを読んでみてほしい。ちなみに、キーンとか、(ヒューマン・リーグやキャバレー・ヴォルテールと同じくシェフィールドから登場した:笑)アークティック・モンキーズなんてバンド名も、インタヴュー前半の重要なキャラクターとして登場。他にも、ファクトリー・レコーズ主宰者であった故トニー・ウィルソンのエピソードとか、いろいろ出てきますよ!

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MANIC STREET PREACHERS

俺たちの音楽には、ポジティヴな憂鬱
とでも呼ぶべきものが入ってると思う


photo by Dean Chalkley
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このすさまじいまでの高揚感は、いったいなんなんだ! 外に出かけたいと思いつつ、ずっと部屋に閉じこもっていた男が、太陽の光をいっぱいに浴びながら広い世界に一歩踏みだしたときのような。20年以上のキャリアを持つバンドが、なぜこんな弾けるようなアルバムを作れるんだ?

90年代初頭以降、彼らは巨大な音楽ビジネスとまっ正面から渡りあってきた。インディー・ミュージックに入れこんでいるけれど、もちろんほかの音楽も大好き。スモール・サークルには安住できない一方で、ショウビズに「飼い慣らされる」ことは拒みつつ、それ自体から無理に目をそらす...つまり「逃げて」しまうことはない。そんな彼らの微妙な立ち位置が、もしかするとこの時代の要請におそろしくマッチしているのかもしれない...なんてことさえ考えてしまった。

『Postcards From A Young Man』。彼ら自身の実年齢がいくつだったとしても、これは、まさにそんなタイトルにふさわしいアルバムとなった(レヴューは、こちら!)。ヴォーカリスト&ギタリスト、ジェームス・ディーン・ブラッドフィールドに聞いた。

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FRAN HEALY

今回は、途中で失ってしまったものがなかった

決してセンセーショナルではないものの、そんなこと必要ないだろ? とばかり、マイペースでとにかく心にしみる素晴らしい歌をやりつづけてきたトラヴィス。グラスゴーから登場した90年代後半、オアシスのノエルが彼らをおおいに気に入ってフロントアクトに起用したことなどから人気爆発、R.E.M.やレディオヘッドを手がけたナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースを手がけた99年のセカンド・アルバムは、リリース後じわじわとチャートを上昇し、数ヶ月たってからナンバー・ワンを獲得した。「初動」プロモーションを重視するCDビジネスの世界では非常に希なことだ。それ以来UKでは国民的人気バンドとなった彼らだが、2008年には自らのレーベルを設立し、そこからアルバムを発表するなど、挑戦的な活動をつづけている。

そんなトラヴィスの中心人物、フラン・ヒーリィが、ソロ・アルバムをリリースした。バンドで聴けるエモーショナルかつセンシティヴかつ素直なメロディーが、よりダイレクトに楽しめる素晴らしい作品となっている。ノア・アンド・ザ・ホエールのメンバーや、ニーコ・ケースが参加しているというという情報も、なるほど、とうなずかせる作風だ。そのうえ、ポール・マッカートニーまで1曲ベースで参加。うーん、やはり一筋縄ではいかない。ということで、フランに話を聞いた。

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OGRE YOU ASSHOLE

"森ガール"...(笑)。僕らはいたるところで
"森ボーイ"って言われるようになりましたね

彼らの音楽は、決して明るくもないし暗くもない。でも、どちらかといえば暗いほうに傾いているのかな? と思っていた。そして彼らの音楽は「未来への希望」にも「徹底的な絶望」にも寄りすぎていない。希望も絶望も、両方備えている。

そんななか「希望」寄りの曲...たとえば「コインランドリー」とかが、筆者としてはとくに好きだった。コインランドリーで洗濯してるのに「未来への希望」ってのもヘンな話だが(笑)。そして彼らのニュー・ミニ・アルバム「浮かれている人」は、タイトルどおり、これまでになく明るい感じだ。「浮かれている」から明るい、というのも、なんか...(笑)。だけどそこには、明らかにある種の「希望」が、そこはかとなく感じられるのだよ。サウンドも含み、明らかに新機軸だ!

ここ最近の一連の作品同様、プロデューサーに石原洋、エンジニアに中村宗一郎という名コンビ(ゆらゆら帝国などで知られる)を迎えたこの作品は、どのようなノリで完成したのか?

さる8月後半にくりひろげられた、中心人物出戸とクッキーシーン伊藤のゆるい会話(笑)を「ほぼ完全ノーカット、最低限の編集しかしていない」状態で、お届けします。

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JOHNNY MARR & OGRE YOU ASSHOLE

つきつめると、音楽さえ良ければ
たいていどんなことでも我慢できるんだ


昨年のザ・クリブス東京公演を見にいったとき、フロント・アクトをオウガ・ユー・アスホールが務めていた。彼らはたしかにいいバンドなんだけど、これまで(とくに中心人物の出戸が)USインディー・ファン、というイメージが強くて、ちょっと意外なとりあわせだと感じた。現在はクリブスのメンバーとなっているジョニー・マー(もちろん、ザ・スミスのギタリストとして最も有名)に、開演前の楽屋でちょっとだけ話をする機会があったのだが、オウガの話になると目を輝かせ、「いいバンドだよね!」と言っていた。あとで聞いたところによると、この日彼らが演奏するのも、ジョニーの強烈なプッシュで実現したらしい。そういえば、ジョニーって、クリブスに加入する前はモデスト・マウス(これは出戸も大好き)にいたわけじゃん...と考え、なんとなく、つながり(?)が見えてきた。

そしてフジ・ロックの初日には、偶然にもクリブスとオウガ・ユー・アスホールがどちらも出演する。この機会を逃す手はない...というわけで(とくにジョニーは、あまりにビッグな人なので、できるかな...と思いつつ)両バンドの対談を申し込んだところ、あっさり実現してしまった。

以下、その全貌であります!

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all photos by Toru Yamamoto

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!!!

変わっていくことっていうのは
すごくナチュラルで、美しいことだと思う


バンドのハイ・エナジーをそのまま落とし込んだような作風から、ミニマルで、エディットがふんだんに盛り込まれた作風へと移行した最新作『Strange Weather, Isn't It?』を引っさげて、堂々フジロック初日、ホワイト・ステージのトリを飾った!!!。まだまだ新作からの楽曲は試運転段階のようだが、これまで以上にグルーヴィーな新しいバンド像を垣間見せる、貴重なステージだったと言っていいと思う。インタビュー中でニックが語っているように、10月の単独公演(こちらもご参照ください!)では新曲をより自分たちのものにし、さらに素晴らしいステージを見せてくれることだろう。今回のインタビューではフジロックや新作の話はもちろん、ダンス・バンドの流行から、はたまたイギー・ポップの是非まで、様々な話を聞かせてくれた。

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