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TYONDAI BRAXTON

うーん...僕とフリー・ジャズの関係って
複雑なんだよね(笑)

去る、7月2日のリキッドルーム恵比寿。この日は、タイヨンダイ・ブラクストンのライヴがおこなわれた。オーケストラルな前作『Central Market』から一転、ミニマルなエレクトロニック・ミュージックを打ちだした『Hive1』のリリースに伴うライヴだけあって、一体どんなパフォーマンスになるのか? と筆者は楽しみにしていた。

結論から言うと、タイヨンダイは筆者の期待に応える、いや、期待以上のパフォーマンスを見せてくれた。緊張感をまとった先鋭的なサウンド、計算しつくされた綿密な音響空間、そのすべてが観客たちの固定観念を爽快になぎ倒していく。そのさまは観ていて清々しいほど。〝圧巻〟とは、あの日のことを言うのだろう。

といったところで、そろそろ本題、タイヨンダイのインタヴューにいきましょう。このインタヴューは、今回の来日中におこなったもの。なので、『Hive1』について訊きつつも、タイヨンダイのパーソナルな側面も引きだせたらと考えていた。それが上手くいっているかどうかの判断は読者のあなたに任せるとして、いま言ったような考えでインタヴューしたおかげか、『ツイン・ピークス』やフリー・ジャズに関することなど、いくつか興味深い話を聞くことができた。ではでは、どうぞ。

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photo by Masanori Naruse

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THE RAINCOATS

わたしたちは、アルファ・メイル以外の
みんなにそんな気持ちを与えているのかもね

70年代の末にレコード・デビューを果たしたバンド、ザ・レインコーツは、当時思春期まっただなかだった筆者にとって、同じくラフ・トレード・レコーズと契約していたヤング・マーブル・ジャイアンツと並ぶ、実にやっかいで、大きな存在だった。

彼らに対する思いというのは、生身の恋愛相手に抱く感情と似ていたかもしれない。後者のシンガーは女性だったが、ソングライティングはおもに男性が手がけていた。一方レインコーツは、途中から男性メンバーを含みつつも、中心的存在は女性たち。

それゆえ、よけいに...。

そんなふうに感じてた者は、世界中に少なからずいたようだ。今は亡きニルヴァーナのカート・コバーンも、そのひとり。それが、90年代前半におけるレインコーツ再結成を後押しした。当時筆者はロンドンのライヴ・ハウスとレディング・フェスで一度づつその勇姿をおがむことができた。ガラージという名前から想像できるとおり前者のキャパは決して大きくなかった。終演後、普通にフロアに出てきた彼女らに、みんないろいろ話しかけていた。だけど(自分にしては珍しく。だから、前記のような理由で:汗&笑)、声をかけることなど、まったくできなかったと正直に告白しておこう。

今からちょうど5年前、2010年6月には、まさかの来日公演も実現。ぼくが観た90年代から約15年たっても、その音楽の素晴らしさはまったく衰えていなかったどころか、さらによくなっていた。

そんな彼女らが、またもや、5年ぶりに日本に来てくれる!DUM-DUM LLPのイヴェント(DUM-DUM Party)、そして単独公演のために!

なんとも、うれしいことではないか。それを記念して、諸般の事情(って、単に筆者が「抱えて」いただけともいう...。すみません...)でお蔵入りとなっていた、ふたりの中心人物、アナ・ダ・シルヴァとジーナ・バーチのインタヴューを、今ここに公開しよう!

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KINDNESS


古い新しい問わずに、これまで僕が聴いてきた

音楽を僕の解釈で表現したい


カインドネスの最新アルバム『Otherness』がリリースされたのは、今年10月のこと。先日発表したクッキーシーン・トップ・50・アルバムズ・2014で11位を獲得! というのは大袈裟かもしれないが、聴けば聴くほど味わい深さが増してくる良盤なのは間違いない。詳しくは弊メディア編集長伊藤のレヴューに任せるとして、筆者のインタヴューでは、『Otherness』にあるジャズの側面について掘りさげた。このアルバムのリリースに合わせて多くのインタヴューが公開されたが、ジャズの要素にフォーカスを当てたものは少なかっただけに、そういう意味でも今回のインタヴューは貴重なのではと、我ながら自負している。年末年始のささやかなプレゼントとして、少しでも楽しんでもらえたら幸いだ。


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KERO KERO BONITO


性別で成り立っているムーヴメントは

好きではありません


ガス、ジェイミー、サラの男女3人によるケロケロボニトは、ロンドンを拠点に活動するバンド。ガスとジェイミーがMixb(ミックスビー)というロンドンに住む日本人向けの掲示板でラッパーを募集し、それにサラが返事をしたのがケロケロボニトの始まり。


彼らの存在を知ったのは、バンドキャンプにアップされていたミックス・テープ『Intro Bonito』がきっかけ。キャッチーでキュートなサウンドが際立ちながらも、ダンスホール、グライム、ハウス、テクノ、そしてJ-POPなどなど、実に多様な音楽性が宿っていた。


そんな『Intro Bonito』がこのたび、良質なインディー・ミュージックを数多くカタログに並べているレーベル、ダブル・デニムからリリースされた。それを祝して、というのは少々大袈裟だが、聴きたいこともたくさんあるのでインタヴューを申し込んでみた。答えてくれたのは、ヴォーカルのサラ。日本語も話せるバイリンガルだけあって、日本語で回答してくれるという嬉しいおまけ付き。


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TRAXMAN


今回はマイクを握って歌っちゃうよ(笑)


2014年の日本の夏は本当に暑かったが、8月9日の代官山ユニットも熱かった。シカゴよりトラックスマンが来襲したからだ。


昨今の音楽状況にとって大きなトピックとなったジュークという音楽の生きる伝説にして、熱に満ちたトラックとDJプレイで世界中のダンスフロアを揺らしているトラックスマン。来日は2012年10月以来となる。


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TEMPLES


ポップだと言われても

けなされてるとか感じない


2014年を代表する作品の1枚として、かなーり上位にランクされるファースト・フル・アルバム『Sun Structures』を同年2月にリリースしたUKバンド、テンプルズ(今のところ「ザ・」はついてない)。


以前から一度メンバーと話をしてみたい...と思っていたのが、フジ・ロック出演を期に、ようやく実現した。今回インタヴューに臨んでくれたのは、ドラマーのサム・トムズこと、サミュエル・ロイド・トムズ。


大きなイヴェント...フェスの楽屋ってことで、こちらの緊張度は比較的低かったものの、なにせ昔に比べれば「担当するインタヴュー」の数は、(決して大げさな表現ではなく)50分の1以下に減っている(笑)。


そのうえiPodにマイクをつないで録音するようになったのは「死ぬほど多かった時代」の末期だし、今やiPhoneのモニターを見せつつ「クッキーシーンとは、こんなメディアです」と説明した直後に「ボイスメモ」アプリを立ちあげ、バックアップ録音用に使う...という(ジジイにとっては、いくぶん)アクロバティックな行動が必要となる。そのあいだ、インタヴュイーであるアーティストを退屈させないよう、適当な自己紹介を口走ってなければいけない...。


そんなどたばたを(逆に)感心したようにながめていたサムだけど、それも「こそばゆ」かった。だから、こんな「妙な地点」から、当記事はスタートする...。


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FALTYDL


僕はミステリーを残すのが好きなんだ


去る7/18~19、フォルティDLことドリュー・ラストマンが大阪と東京でライヴをおこなった。筆者は19日の東京公演に足を運んだのだが、ビートを強調したアッパーなサウンドが展開され、多くの観客を踊らせていたのが印象的だった。ちなみに今回は、最新アルバム『In The Wild』を引っさげての来日。だから筆者も、このアルバムの特徴である実験的で静謐な音を浴びることになるのでは? と考えていたが、その予想は見事に裏切られた。それもドリューが言うように、「ミステリーを残すのが好き」なゆえ、かもしれない。


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photo by Masanori Naruse

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DE DE MOUSE 


ファンの人たちと一緒に歳をとって

いければな、みたいな


アンデルセンの作品に「絵のない絵本」というのがあるけれど、ヴィジュアルのないものが視覚イメージを呼び起こすとき、その風景というのは色彩のある夢のように鮮明であったりして、それが現実なのか非現実なのかわからないくらい具体性を帯びていたりする。


2012年にリリースされた『sky was dark』からおよそ1年半、今回は"DE DE MOUSE x2"というDE DE MOUSE + Drumrolls名義とソロ・セットのツーマン形式となるイベントにあわせて、ライヴやアルバムのことなどいろいろとお話を伺った。


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LAUREL HALO


私が初めてやった音楽の作業は

サンプリングではなくて、合成(シンセシス)なの


2014年1月31日~2月3日にかけて開催されたハイパーダブ10(Hyperdub 10)。このイベントは、興味深い作品を数多くリリースし、ダンス・ミュージック・シーンで輝きつづけるレーベル、ハイパーダブの設立10周年を記念しておこなわれたものだ。


主宰者のコード9、それからアイコニカ、ローレル・ヘイロー、DJラシャドというハイパーダブから作品を発表しているアーティストらが、東京、名古屋、金沢、大阪の全4都市をまわった。


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photo by Masanori Naruse

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PREFAB SPROUT


今もAtariを使ってるんだよ

30年間ずっと(笑)


時代に左右されないエヴァーグリーンなポップ・ミュージック。最上級の褒め言葉としてよく使われるフレーズだが、それはこの10年代なかばに完成した、プリファブ・スプラウトのニュー・アルバムにこそふさわしい。


20世紀という「ディケイド×10」をとおして、資本主義とわかちがたく結びついてきたポップ・ミュージック。「100年たった関係」といえば、普通の夫婦関係よりよっぽど長い。そんな腐れ縁(?)が簡単に解消できるはずもない(笑)。しかし、インターネット/パーソナル・コンピューターという「鬼子」をとおして、それらのあいだに、今「新しい関係」が生まれようとしている。ぼくは、本気でそう思っている。


写真を見ると、すでに何千年も生きた魔法使いのジジイに見えるプリファブ・スプラウトことパディ・マクアルーンは、まだ50歳そこそこ。筆者と数歳しか違わない...(ひええ)。ポスト・パンクの時代から刻まれた年輪のみならず、まだまだ若い活きた大樹の香り漂うニュー・アルバム。もし筆者がキャッチ・コピーつけるとしたら...アタリ・シシュンキ・ライオット? 一体どんなふうに作られていったのだろう? 完成の秘密に迫るべく決行された、「公式インタヴュー(それゆえ紙媒体でもネット媒体でも無断引用ご自由に:笑)」フル・ヴァージョンを、どうぞ!


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photo by Kevin Westenberg

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MAY.E


言葉で損なわれる雰囲気って

あると思うんですよ


去年11月、may.e(メイ・イー)のセカンド・アルバム『私生活』を手に入れた。アコースティック・ギターによる素朴で心地よいメロディー、語感の良い言葉で紡がれた歌詞、そしてほんの少しトリッピーなサウンドスケープ。これらが交わる『私生活』に、筆者はすっかり魅せられてしまった。


may.eについて簡単に説明しておくと、現在22歳の彼女は、愛知県出身のシンガーソングライター。去年5月にファースト・アルバム『Mattiola』をリリースし、インディー・ミュージック・シーンで注目を集めた。レヴューでも書いたが、『Mattiola』はビーチ・ハウスを想起させるドリーミーなアシッド・フォークになっている。こちらも必聴レベルの作品なので、ぜひ聴いてみてほしい。


インタヴューは渋谷の宇田川にある飲食店でおこなったのだが、実を言うと当日、筆者は前日に開催されたマッド・プロフェッサーのオールナイト公演で体を揺らし、そのあとシャワーを浴びてからインタヴュー場所に向かったので、一睡もしていなかった。しかも注文した小倉カフェオレ(カフェオレにあんこと生クリームが乗っている)の予想以上の甘さにやられ、睡魔に牙を剥かれてしまった。それこそ、『私生活』収録の「おちた生活」に登場する一節、《このまま無力でありたい》という状態。


それでも、22歳とは思えない大人びた横顔が印象的な彼女は、丁寧に回答してくれた。


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AI IWASAKI


やっぱり、シンガーというか

ひとりでやってる人が好きですね


それがポップ・ミュージックであるかぎり、最大瞬間風速的なインパクトは当然ある程度必要になってくる。しかし、21世紀という言葉をわざわざ使うのもはばかられるようになった今、リリース・タイミングという「時間」の制約に「あまりにも」しばられるのは、おかしいのではないか。心ある人たちは、そのことに気づきはじめている。


約1年前にリリースされた岩崎愛のアルバム『東京LIFE』を、ちょっと久々に聴きなおしてみて、ぼくはそんな思いを新たにした。


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PRIMAL SCREAM


暗がりの時期から脱けだして、いい時期に

向かっていくようなものであってほしい


さて、みなさん、プライマル・スクリームのニュー・アルバム『More Light』は、もう聴かれただろうか?


このインタヴューは、それがほぼ完成したころ、彼らとは旧知の仲であるUKジャーナリスト、ジェームズ・ブラウンが中心人物ボビー・ギレスピーに聞いたものだ(ちなみに、このインタヴューのあと、1ヶ所だけ急遽曲順が変わっている。最終的に、このインタヴューで「12曲目」と言われているものが11曲目、「11曲目」と言われているものが12曲目になった。ほかは変わっていない)。


もちろん「旧知の仲」とはいっても「アーティスト対ジャーナリスト」、決して「なあなあ」になっていないどころか、その対極、いい感じの「丁々発止」。そして彼は『Screamadelica』25周年記念盤ボックス・セットで、実に力の入った長文インタヴューを担当していた人だけあって、単なる「公式インタヴュー」を超えた「決定版」ともいえる内容になっている。


11月初頭の来日を前に、クッキーシーンでは、その全文を完全ノーカットで発表する。内容が深すぎて、アルバムを聴かないとふにおちない部分があるかもしれない。できれば、すでにアルバムを入手された方は聴きくらべる形で読んでほしい。そして、これで彼らの音楽に少しでも興味を持ってくださる方がふえればさいわい...とか思ったり...(これ読んで、逆に「なに、こいつ? うぜー!」と感じる方もいるかも? まあ、それはそれで...:笑)。


では、どうぞ!

2013_03_primal scream_A1.jpgphoto by Niall O'Brien

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ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK (OMD)


ぼくは昔から「戦争」と「宗教」という

ふたつのテーマに魅了されてきた


今年前半に発表された、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク、略してOMDのニュー・アルバム『English Electric』、リリースから数ヶ月たってもその魅力はまったく色あせていない。


80年代にデビューしたUKのエレクトロニック・バンドとしては、ほぼ同じころ、デペッシュ・モードもペット・ショップ・ボーイズもニュー・アルバムを発表している。OMDは彼らほどビッグ・ネームではない分、話題になることが少なかったかもしれない。しかしぼくは最近、おもしろい体験をした。今とても注目しているグラスゴーのエレクトロニック・ユニット、チャーチズ(今年のサマーソニックにも出演)のデビュー・アルバムを、先月(幸運にもリリース前に)聴けた。先行EPを聴くかぎり、もうちょっと暗めの...そう、90年代以降のデペッシュ・モードっぽくなるかな? と思ったら、そうでもなかった。もうちょっとポップで明るかった。そこで、ぼくの頭に浮かんだのが、彼ら...オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク、略してOMDの名前だった。


もちろん、直接的影響云々とか関係なく、もっと大きな、時代...「ポップ・ミュージックの趨勢」の流れとでも言おうか。


クッキーシーンとしては、2010年に、彼らが久々(24年ぶり!)のニュー・アルバムをリリースした際にも、彼らのインタヴューを掲載している


この機会...プライマル・スクリーム「公式インタヴュー・フル・ヴァージョン」をアップしたタイミングで、こちら(OMD)は、「公式インタヴュー」から中心人物アンディー・マクラスキーの発言のいくつかをピックアップした形の記事をお届けしよう。


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PASSION PIT

正しい場所を見つけられたのかというと
まだ見つけることはできていない気がする



2012_08_passion pit_A1_IMG_9288.jpg全米初登場4位を記録したセカンド・アルバム『Gossamer』は、パッション・ピットの特徴である煌びやかなポップ・サウンドに磨きがかかり、さらにはマイケル・アンジェラコスのソングライティング能力の向上が窺えるなど、本当に素晴らしい作品となっている。

とはいえ、『Gossamer』の制作過程はマイケルにとってかなりハードなものだったようだ。

そんな『Gossamer』について今回マイケルから話を聞いたわけだが、インタビューを終えたとき、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンが残した言葉を、筆者はふと思い出していた。その言葉は次のようなものである。

「陽気なポップスを作るのが陽気な人間だと思ったら大間違い」。

この言葉、マイケルにピッタリ当てはまるような気がしてならない。そう思えてしまうインタビューだった。


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THE VACCINES

台風の目は静かだって言うけど
今はその目のなかにいるのかもしれない

ファースト・アルバム『What Did You Expect From The Vaccines?』が全英で最高位2位を記録するなど、いまやイギリスを代表するバンドに成長したヴァクシーンズ。とはいえ、インタビューにも出てくるアルバート・ハモンドJr(ストロークス)とのエピソードから伝わってくるのは、ある種の少年心というか、音楽に対しての純粋な姿勢である。そんな彼らがセカンド・アルバム『Come Of Age』を上梓した。プロデューサーにイーサン・ジョーンズを迎えて作られた本作は、ヴァクシーンズらしいストレートなロックンロールが鳴っているものの、ほんの少し"憂い"もある。そのへんのことも含め、フレディ―・コーワン、ピート・ロバートソンに語ってもらった。

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photo by Jesse Jenkins

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FOUNTAINS OF WAYNE

何千年も昔、人は星を
空に開いた穴だと思っていた


ファウンテインズ・オブ・ウェインの最新アルバム『Sky Full of Holes』がリリースされてから、早いもので、もう約1年たってしまう。2011年の夏といえば(少なくとも、ぼく...伊藤としては)震災によって被った心の傷に、まだかさぶたもかぶっていないくらいのタイミングだった。そんなとき、気持ちを(わずかでも)おちつけるために、そのアルバムがどれだけ役にたったことか...。

"現実から目をそらす"のではなく、それをふまえたうえで気持ちをアップ方向にもっていくことができる。彼らの音楽は、常にそんな感じだった。ちょっとねじれた歌詞と極上のメロディー。4年ぶりの新作『Sky Full of Holes』は、久々にアコースティックな...風通しのいいアレンジが前面に出ており、本当に夏向きのアルバムとなっている。この2012年の夏も、たぶんおおいに聴いてしまうだろう。

そしてこの夏、彼ら自身が日本に来てくれる。いよいよ目前に迫ったアジアン・カンフー・ジェネレーション主催NANO-MUGEN FES.(開催は7月15、16日! 3連休後半だ!)出演のために。彼らは今年前半にも一度ジャパン・ツアーをおこなっているので、すごく短いスパンでの来日となる。うれしいことだ! 中心人物のひとり(ソングライターでもリード・シンガーでもないけれど、スポークスパーソン的な意味も含み「中心人物」という気がする:笑)のアダム・シュレシンジャーは、NANO-MUGEN FES.でのライヴについて、こんなふうに語っている。「全部のアルバムから少しずつプレイすることになると思う。新しい曲ももちろんプレイするけど、いくつかずっとプレイしていなかった古いレコードからのサプライズ・ソングもプレイするんじゃないかな」。おおっ! って感じ。

クッキーシーンは、『Sky Full of Holes』がリリースされたとき(いろいろ、どたばたしていて)インタヴューのタイミングを逃してしまった。是非とも聞いてみたいことがある、できればこの機会に!...というわけで、2012年における再来日直前、アダムにメールで聞いてみた!

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MY BLOODY VALENTINE

全部がただひとつの音に聞こえるような
レコードを作りたいと思っていた


その後の音楽の流れを完全に変えてしまったアルバムというのは、もちろんいくつか存在する。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインというバンドが1991年にリリースしたアルバム『Loveless』も、あきらかにそのひとつだ。

決してバカ売れしたものではない。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは、いわゆるロック・スターでもない。だがその一方で、カルト的ステイタスに甘んじる「仙人的」なやつらでもない。ただ、1991年以来まったく新作アルバムを発表していない彼らが、そんなふうに見られる傾向があることもたしかなのだが(笑)。

ここ数年「出る出る」と言われていながら、なかなかリリースされなかった『Loveless』のリマスター盤が、この2012年5月、とうとう世に出た。それは、ある種の音楽ファンにとって重大な事件だった。たとえば、こんな言葉に反応するようなひとたちにとって...。

「(マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『Loveless』に入っていた)『Soon』(という曲)は、ポップの新しいスタンダードになるだろう。かつてヒット・チャート入りした曲のなかで、これ以上に曖昧で不明瞭なものをぼくは知らない」by ブライアン・イーノ

90年代初頭における彼のこの発言は、それから20年後にふりかえってみると、実に当を得ていたものだったことがわかる。

『Loveless』のみならず、彼らがそれ以前にリリースしていたもう1枚のオリジナル・アルバム『Isn't Anything』も、そしてレア・トラック満載の貴重なコレクション『EP's 1988-1991』も(もちろん全曲リマスタリングされて)一気に発売されたことを記念しておこなわれた、中心人物ケヴィン・シールズのインタヴューをお届けしよう。

2008年のフジロック以来となる、2013年2月の来日公演スケジュールも発表された。それを待ちつつ、お楽しみください!

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ptoto by Mitch Ikeda

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MOTION CITY SOUNDTRACK

ただ「ファック」って言わなきゃいけない
ときがあるのも事実なんだ


photo by Anthony Saint James
2012_07_MCS_A1.jpgアジアン・カンフー・ジェネレーションが主催しているNANO-MUGEN FES.の開催が、今年もいよいよ迫ってきた。7月15日と16日、横浜アリーナにて。

このフェスティヴァルをクッキーシーンが以前(雑誌時代)から注目してきた理由は、それが洋楽と邦楽、どちらかだけに重きを置いたイヴェントではないから。もちろんフジロックもサマーソニックも「洋邦とりまぜた」ものではあるけれど、やはり客観的に見て主役は洋楽だろう。そこに、いい感じで邦楽バンドも混ざっている。

NANO-MUGEN FES.も、主役はアジカンをはじめとする邦楽バンドだろうって? いや、たしかに、最初はそうだった。2003年にスタートした段階では邦楽バンドしか出演していなかった。しかし、2004年におこなわれたふたつのイヴェントのうち大阪会場にザ・クリブスが出演して以来、2005年にはアッシュやファラー、2006年にはザ・レンタルズやシルヴァー・サン、そして昨2011年にはマニック・ストリート・プリーチャーズやウィーザー...といった面子が登場。これで「邦楽中心のフェス」と言ったら、まったくもって非論理的だ...。

それだけではない。そこに登場する海外バンドが、どれもアジカンに影響を与えた、もしくは彼らが同時代的シンパシーを持っている者たちであることは特筆に値する。アジカンのような、普通の邦楽ファンにも人気の高い日本のバンドがこのような試みをつづけていることは、客観的に見て「日本における洋楽」に対して悪いことであるはずがない。はっきり言って、素晴らしい。

そして、今年のラインアップが発表になったとき、ぼく(伊藤)は仰天した。「うわあああっ!」と叫び声をあげてしまったくらいに。ファウンテインズ・オブ・ウェインとモーション・シティ・サウンドトラックが同じ日に(連日)出るんですか!? これ、すごすぎ。ある意味、夢のようだ...。どちらも、最高に「パワフルでナードっぽいスーパー・ポップ」をクリエイトしてきたバンド。ぼくとしては、このふたつのバンドとアジカンの音楽性は実に自然につながると思うのだが、一般的にはファウンテインズとモーション・シティのファン層さえ意外にかぶっていないことも知っている。後者のサード・アルバムは、元カーズのリック・オケイセックと並んで、前者のアダム・シュレシンジャーもプロデューサーとしてフィーチャーされていたことが、いまいち大きなバズに結びついていなかった。なんでだろう? 残念だ...という当時の思いも含み、この並びを見て余計にうれしくなってしまった。

もちろん、ほかのラインアップもグレイト。詳しくはここ...今年のNANO-MUGEN FES.サイトを見ていただくとして、クッキーシーンでは、モーション・シティ・サウンドトラック、そしてファウンテインズ・オブ・ウェインのインタヴューを連続で(過去数ヶ月、インタヴュー関係のアップが止まっていたことからすると、なぜ今度はこんなに早く? というくらいの速攻ノリで)お届けする。

まずは、モーション・シティ・サウンドトラック。実はこのインタヴュー、クッキーシーンのメイン舞台を紙媒体(雑誌)からウェブに移行するための準備をおこなっていたころ敢行されたものだ。いわゆる「新譜インタヴュー」(新譜のプロモーションのためにおこなうインタヴュー)ではないこともあって、ぼくが個人的に以前から聞きたかったことを、がんがん聞いている。ただ、なんとなくどたばたのなか発表の機会を逸していた。それを、ついに掲載できる。とてもうれしい。

さらに言えば、これ、ちょうど日本のバンド、既に解散してしまったビート・クルセイダースとの対バンの翌日におこなわれたもの...という意味で、なんとなくこのタイミングで発表するのも美しいだろう...と...! 久々に見なおしてみて、偶然アジカン関係のことも話題に出ていて、自分でもちょっとびっくり...。もちろん、リリースされたばかりのモーション・シティ・サウンドトラックの素晴らしいニュー・アルバム『Go』については(当然)聞けてないけれど、そのアルバムに対するぼくからのコメントは、インタヴュー・パートのあとに...。

というわけで、まずは、2010年3月におこなわれたモーション・シティ・サウンドトラック、ジャスティン・ピエール(ヴォーカル)、トニー・サクストン(ドラムス)のインタヴューを、どうぞ!


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OWEN vs RYO HAMAMOTO

それって、ずいぶん
難しいカヴァーなんじゃないの(笑)?


シカゴから素晴らしいうたを届けつづけてくれる、オーウェンことマイク・キンセラ。ジョン・オブ・アークのティム・キンセラの実弟でもある彼が、この3月、オーウェンとしては6度目の来日を果たした。そのツアーの多くに同行したのは、リョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウェットランド名義の、これまた感動的なファースト・アルバムをリリースしたリョウ・ハマモト(前月...2012年2月におこなわれた彼の単独インタヴュー記事は、こちら)。

クッキーシーンでは、彼らが初めて対バンした名古屋ハポンでのライヴ前に、彼らふたりの対談を敢行した。この段階では、ほぼ初対面だった彼らだが、さすが音楽家(そして熱心な音楽ファン)同士、すぐにうちとけ、交流を深めていった。

この対談ではダイナソーJr.も話題にあがっている。4月23日ごろまでの期間限定「表紙」に使用した写真(4月25日ごろ以降は、このリンクをクリックしても「表紙」写真が別のアーティストに変わっているので注意)は、その数日後、東京のフィーヴァーにおいて、ふたりでダイナソーJr.のカヴァーを演奏したときのものだ。マイクはドラムを叩いている。ワン・パーソン・ユニットであるオーウェンを始める前、マイクはティムとともにキャップン・ジャズというバンドをやっていた。そこで、そしてティムのジョン・オブ・アークでもマイクはドラムを叩いている。そういえば、ダイナソーJr,のJ・マスシスはドラマーでもあったよな...とか思いつつ、では、どうぞ!

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ハポンにおけるサウンドチェックの模様。photo by Kyohei Tsuchiya

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22-20S

僕らもブルースによってもたらされる
豊かで長い音楽の伝統に連なりたいと思う


00年代初頭、ホワイト・ストライプスやストロークスを筆頭に"ガレージ・ロック・リヴァイバル"と呼ばれるムーヴメントが、新たな音楽シーンの到来を告げていた。その中で、当時まだ20歳そこそこという若さながら、ブルースを血肉化したデビュー・アルバムで颯爽と登場した22-20s。でも、その後の歩みは決して順風満帆といえるものではなかった。このインタビューでも語られているとおり、「ブルース・バンド」というレッテルを貼られることへの葛藤と疲弊から、バンドは2006年に解散してしまう。

けれども、22-20sのストーリーはそこで終わらない。解散から4年後、音楽への情熱を再び取り戻した彼らは前作にあたる2ndアルバム『Shake / Shiver / Moan』で見事に復活を遂げる。よりメロディアスに、よりカラフルに鳴らされるサウンドは、「ブルース・バンド」という枠に収まりきらないギター・バンドとしての可能性を感じさせた。そして、いよいよ3rdアルバム『Got It If You Want It』が完成! ブルースが好きな人なら、このタイトルにピンと来るはず。まずは新曲「Pocketful Of Fire」のストリーミングをチェックして欲しい。自信に満ちあふれたラウドなリフと表現力を増したマーティンの歌声。そう、22-20sはこの3rdアルバムで、かつて自分たちを解散にまで追いやった「ブルース」という音楽に、もう一度向き合っている。

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THE VACCINES

僕らが過去のカルチャーに対して
リスペクトの精神を持っているのは確かだね


2回のキャンセルを経てようやく単独での来日公演が実現したイギリスのギター・バンド代表、ヴァクシーンズ(こういうフレーズは彼ら自身嫌いそうだけど、あえて)。

勢いとビッグ・マウスだけでデビューしてさっさと消えてしまうようなそこらのバンドたちとは違い、ヴァクシーンズには新人離れした風格と歴史上の優れた音楽に対する丁寧な目配せがある。そしてそれらをアーティーに表現してしまうのではなく、究極にシンプルかつモダンなポップ・ソングにしてしまうあたり、ほんとうに何年にひとつの素晴らしいバンドだと思う。今回は東京でのライヴ前日にギタリストのフレディー・コーワン(ホラーズのメンバーの弟。アップリフティングでクラシカルな音色のギターを弾く)とベーシストのアーニー・ヒョーパーに話を訊いた。

インタヴューのときに改めて気付いたんだけど、ヴァクシーンズってとってもグッド・ルッキングなバンドだね!

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all photos by Mitch Ikeda

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RYO HAMAMOTO & THE WETLAND

湿地帯には魚もいれば鳥もいるし
複雑多様な生態系がありますよね


'00年代から良質なUSインディー・ミュージックを中心にリリースをつづけてきたアンド・レコーズから、ファースト・アルバムをリリースするリョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウェットランド。その作品を聴いて、ぼくは深く感動しつつ、ちょっと妙な感慨にとらわれてしまった。それで猛烈に興味をひかれ、インタヴューを敢行させてもらうことにした。

すでにアラフィフの域に達しているぼくが彼らの音楽を聴いて、まず思いだしたのは、たとえばR.E.M.やニール・ヤング...。もちろん、彼らの音楽には実にさまざまな要素が内包されているのだが、'00年代の「USインディー」界隈では、尊敬はされていたかもしれないけれど、決してスーパー・クールではなかったアーティストたちの名前がぱっと頭に浮かんでしまった...。また、リョウ・ハマモトの"うた"からは、たぶん彼自身も知らないような(だから、とりあえず今回のメール・インタヴューでは、そのことについてはふれなかったけれど)70年代の優れた日本のシンガーにつながるものを感じたり...。

時代がひとまわりしたというか、「直前の過去」とは違う、新しい世代を見るような気がする。

ハマモトは、3月2日(金)から始まるオーウェンことマイク・キンセラのジャパン・ツアーに(その初日以外の4ヶ所は)同行して、ライヴを披露してくれる。新しい世代とか言いつつ(笑)、いや、それも似合うぞ...という意味で、そのツアー中に、彼とマイクの対談をおこなう予定だ。無事できたら、またここで発表します!

そんな彼の、メールによるものとは思えない(?)ロング・インタヴューを、おとどけします。じっくりご覧いただければさいわいです!

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PETER HOOK

誰でもDJをやってみたらいいんだよ
でも、うまくDJをするってことは難しい

元ジョイ・ディヴィジョンのオリジナル・メンバー(どの楽器が最も印象に残ったかといえば、やっぱ、彼のベースだよね?)であり、もちろんニュー・オーダーの重鎮であるピーター・フック。本国では音楽書の枠を超えてベストセラーとなった彼の初めての著作『ハシエンダ』日本版がリリースされる。音楽ファンなら誰もが必読の、超一級ドキュメンタリー。そして、彼がそこでなにを学んできたかも(なんとなく、だが:笑)よくわかる、感動的な作品となっている。

つい最近、彼がニュー・オーダーの「ほかの3人(The Other Three)」の不埒な行為に関して訴訟を起こした理由も、『ハシエンダ』を読めば、間接的にわかる...ような気もする。

この4月末には、新しいバンド、ザ・ライトを率いて大磯でおこなわれるフェスティヴァルのために来日、ついに日本の聴衆の前で(フジ・ロックにてニュー・オーダーがおこなって以来、初めて)ジョイ・ディヴィジョンの曲を披露してくれることになっている。その面子による『Unknown Pleasures』再現ライヴ・アルバムを聴いたが、正直素晴らしかった。「ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカリスト」は、もちろん故イアン・カーティスだったけれど、それを継ぐ者としては(ニュー・オーダーとしてそれを披露したときの)バーナード・サムナーよりもピーター・フックのほうがふさわしい。そこにこめられた、狂おしいまでの熱情の質および量ともに、

この1月、インターナショナルな存在として復活した伝説のクラブ、ハシエンダ主催イヴェントにDJとして出演するため来日を果たしたピーター・フックに話を聞いた。ぼくは個人的な都合で残念ながら参加できなかったその取材を敢行してくれたのは中谷ななみさんと、『ハシエンダ』日本版編集者圓尾公佑さん。では、どうぞ!

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all photos by Kazuya Hayashi

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NADA SURF

未来には希望を持っているよ
だけど今は本当におかしな時代だ

2012_01_nada_surf_A1.jpgダイナミックかつナチュラルな躍動感が、彼らの"うた"の素晴らしさを際立たせている。デビュー以来15年以上を不動のトリオ編成でサヴァイヴしつづけてきたナダ・サーフのニュー・アルバム『The Stars Are Indifferent To Astronomy』は、そんな彼らのフランクかつオネストかつ真摯な姿勢が、この激動の時代にさらなる輝きを持つことの証左のごとき傑作だ。

今回も本国ではデス・キャブ・フォー・キューティーとの関係で知られるバーサクからのリリースとなる『The Stars Are Indifferent To Astronomy』は、ガイデッド・バイ・ヴォイシズのダグ・ギラードをフィーチャーし、ボブ・ディランからファウンテインズ・オブ・ウェインまでを手がけてきたクリス・ショウをプロデューサーに迎えて制作されている。中心人物マシュー・カーズが「このレコーディングは本当に楽しかった、今までで一番たっだよ」と語っているとおりの雰囲気が、スピーカーやヘッドフォンから伝わってくるようだ。

2012年はいい感じになるといいな...なんて思いつつ、年明け早々、マシューにスカイプで話を聞いてみた。

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MADEGG

イマジネーションを沸き起こしてくれる一瞬一瞬を
大切にしたいと思っていて


2011年も、たくさんの素晴らしい音楽が生まれた。そんな2011年において、最大の発見の1人と言える人物に話を訊いた。その人物とは、マッドエッグだ。彼の音楽に出会ったのは、"分解系"からリリースされた『Players』。この作品に収録されたドリーミーな電子音の虜となってしまった僕は、クッキーシーンでも何度かレビューを書くことになるわけだが、書いているうちに、マッドエッグ自身に訊いてみたいことがいろいろと思い浮かんできた。今回のメール・インタビューで、そのすべてが訊けたわけではないが、高知の田舎で走り回って育ったエピソードなど、非常に興味深い話が聞けたと思う。少々前フリが長すぎたかな? ではでは、ブレインフィーダー(Brainfeeder)のイベントに前座として出演するなど、今後の活躍が期待されるマッドエッグのメール・インタビューです。どうぞ!

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JONAS BJERRE

僕が歌うことでストーリーテラーのように
聞こえればいいなと思ったよ


all photos by Casper Sejersen
Jonas_201112_A1.jpg言わずと知れたこの人物、ヨーナス・ブジェーリ。彼はミュー(Mew)のヴォーカリストとして活躍する一方、近年はアパラチック(Apparatjik)という覆面アート・バンドのメンバーとしても精力的な活動も行なっている。その両者を通して、音楽的可能性の広さと本国デンマークにおける評価の高さを、まざまざと思い知らされる。

そんな彼は過去にサントラ制作の一環で曲を提供するなどしていたが、遂に満を持して一つの映画のサントラを全て手がけることになったのである。ミューだけでもライヴのスクリーンに映される映像作り、或いはミュージック・ヴィデオに関係する映像作りをしてきている、マルチ・アーティストと呼ぶに相応しい類い稀なるミュージシャンの一人として確実にその地位を築き上げてきた彼。デンマーク国内ではインディー・リリースだった今回のサントラ盤がこうして日本ではソニー・ミュージックからリリースされる。その大抜擢には、彼の作り出した音楽の興味深さも所以となっているはずだ。

日本ではダウンロードぐらいでしか手に入らなかったこの秀作について、映画の話も交えつつ聞いてみた。

なお、補足しておくと、以前彼本人に聞いたところによると、彼の名前はデンマーク語ではヨーナス・ビエールという読み方をするそうだ。日本では英語圏での発音にのっとってヨーナス・ブジェーリを正式表記としていることから、このインタヴューでもブジェーリと書かせていただく(と同時に、別の発音があることも心に留めておいてもらえれば幸いだ)。


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RUSSIAN RED

そう! わたしのなかには
いろんな音楽が入ってるの!


スペインのキュートな女の子が、ベル・アンド・セバスチャンのメンバーらと共に、グラスゴーでアルバムをレコーディング! この情報にいろめきたたないポップ・ファンはいないだろう(インディー的なものも嫌いではなく、むしろそれも好きであれば)。

そのアルバム『Fuerteventura(邦題:フエルテベントゥーラより愛をこめて)』は、日本でリリースされる直前、11月最終週からの日本の洋楽FMプレイ・チャートで、なんとトップを獲得してしまった。彼女の音楽のクオリティーの高さの証明と言えるだろう(基本的に、ある程度の投資がないと日本のFMでは曲がかかりづらい。にしても、お金だけでは絶対「1位」にはなれない。そこまで腐ってはない。たぶん:笑)。

さる10月後半、スペインの新人アーティスト・ショウケース・ライヴで演奏するために来日を果たしていた、ロシアン・レッドに話を聞いた。

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OGRE YOU ASSHOLE

そういう場所をどう思うかっていうのは
みんな次第なんじゃないかな


OGRE_201108_A1.jpg彼らは、またもや新しい境地に達した。

昨年リリースされたEP「浮かれている人」で表現されていた多彩なサウンドも、よりグルーヴィーになったビートも、さらに驚くほどの成長を遂げている。

4人組から、トリオとなってのニュー・アルバム『homely』は、音楽的なおもしろさにあふれているのみならず、そのテーマ性も実に興味深いものとなっている。

いや、こんな冷静ぶった物言いにはとても収まりきらない。この2011年の日本に生きる自分にとって、まったく人ごとではないレベルの問題意識に貫かれているような気がして仕方ない。

彼ら独特のユーモアと表裏一体をなす、そんな部分にも迫るべく、中心人物の出戸学に聞いた。

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ALAN McGEE

まったく、U2が好きなんて
病気としか思えないよね



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去る8月、サマーソニック前夜祭ソニックマニアでDJを担当するために、今はなきクリエイション・レコーズの主宰者だったアラン・マッギーが久々の来日を果たした。

渋谷および銀座で現在上映中のクリエイション・レコーズ・ドキュメンタリー映画『アップサイド・ダウン』のプロモーション、そしてさらに新しいイベント「アラン・マッギーズ・クリエイション・ナイト」出演のため、彼は9月前半にも、ふたたび日本にやってくる。

今(この文章を打ちこんでいる瞬間)はまさにその直前なのだが、ぼく(伊藤英嗣)は8月に彼と6、7年ぶりに再会、インタヴューをおこなった。イベント直前で申し訳ない(ごめんなさい。本当は、もっと早くこの記事をアップしたかった...。みんな、来てねー!:汗)と思いつつ、それを公開しよう!

上で「抜きだした」アランの発言が、決してU2に対する単なるディスではないことも、わかっていただけるはずだ!

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WU LYF

「みんなのもの」として音を鳴らしている
元々ポップ・ミュージックはみんなのものだしね


僕(近藤真弥)はウー・ライフを信じている。こういった文章を書くにあたって、相手を信じてはいけないということもよく言われるが、「信用」と「盲信」は違う。寧ろ相手を信じることで視野はより広がると思うし、批判や意見もできるというものだ。僕は「信用」できる人を追いかけたいし、ついていきたい。ウー・ライフは、そうするに値する可能性を秘めたバンドだ。

以下のインタビューを読んでもらえば分かるけど、僕の疑問や意見に対して、トムとエラリーは真摯に答えてくれた。

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GYPSY & THE CAT

ぼくのイメージする「サマー・ポップ」って
聴く人をハッピーにする音楽だから!


創刊当時からクッキーシーンは、グラスゴーやUSの地方都市をはじめ、北欧やカナダ(そして、もちろん日本)など、ポップ・ミュージックの周縁から登場したバンドたちも積極的にとりあげてきた。そういった場所にも、当然いいバンドがたくさんいるから。そんな「素敵な辺境」のひとつにオセアニア...ニュー・ジーランドやオーストラリアがあげられる。英米のインディー・ミュージックも深部に多大な影響を与えてきた前者はもちろん、後者も素晴らしいバンドをたくさん輩出している。最近でいえば、先日発売されたクッキーシーン・ムック『21世紀ロックの爆発』にもインタヴューを掲載したマイアミ・ホラーなど。そして、この8月頭にファースト・アルバム『Gilgamesh』を日本でリリースしたのにつづいて、サマーソニックにも出演することが確定している彼ら、ジプシー&ザ・キャット!

たとえば80年代、オーストラリアからはザ・ゴー・ビトウィーンズといった素晴らしいインディー・バンドも現れたけれど、その一方でスーパー・ポップな、エア・サプライみたいなやつらもいた。『Gilgamesh』は、その両者どちらのファンが聴いても好きになってしまうのではないか...。実際、どちらも好きだったぼくなどは、一気に虜になってしまった!

彼らは今を時めくマーク・ロンソンのお気に入りでもある。2枚目のシングルともなった「Jona Vark」という曲のデモ音源を彼が気に入ったことが注目されるきっかけのひとつだった。昨年6月にはUKのヤング・アンド・ロスト・レコーズからファースト・シングル「Time To Wonder」をリリースした彼らは、アルバムを完成させて、今は(それこそ、80年代にゴー・ビトウィーンズもそうしたように:笑)UKに移り住み、本格的な活動を開始しようとしている。
 
上記2曲のリンク先(ユーチューブ)の音源を聴いてもらえばわかるとおり、彼らの音楽は、どこか80年代に通じる感覚を持ちつつ、あくまで「今」のセンスに貫かれている。リード・ヴォーカル、ギター、シンセサイザー、ベースなどを担当するマルチ・プレイヤー(アルバムにはクレジットされていない...そこでは叩いていないようだが、幼いころからドラムを習っていたらしい)、グザヴィエ・バキャッシュに話を聞いた(伊藤英嗣が作った質問をもとに、中谷ななみさんが電話をかけています)。

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HER SPACE HOLIDAY

結局、終わりが訪れることには変わりがない
それならお祝いで終わりにしよう


梅雨も明け、これからの季節にふさわしいアルバムが、絶妙なタイミングでリリースされた。90年代後半から、その名を冠して活動をつづけてきたマーク・ビアンキによるひとりユニット、ハー・スペース・ホリデイ、初のセルフ・タイトル・アルバムだ。

これまでにブライト・アイズやザ・ゴー・ティーム、ピンバックやボブ・モウルド(元ハスカー・デュー)とツアーを行い、R.E.M.からブーム・ビップまでのリミックスを手がけてきたハー・スペース・ホリデイだが、この『Her Space Holiday』がファイナル・アルバムとなる。

ベッドルーム・レコーディングのドリーミー・ポップからエレクトロニカをへて、フォーキーなオーガニック・ポップに至った彼(ハー・スペース・ホリデイとなる前には、ハードコア・バンドにも所属していたという)の、まさに集大成的な作品となっている。

アンセミックとさえ言える美しい"うた"の数々は、アコースティックな演奏とあいまって、とてもオープン。晴れわたった夏の空が目に浮かぶようだ。これが「最後の」アルバムなのに?

7月のある晴れた日、マークに電話インタヴューを試みた(注:伊藤英嗣が質問を作り、中谷ななみさんが話を聞いています)。

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WIRE

きみたちの国で起こった悲劇的な出来事のあとに
東京に行くというのは、意義のあることだと思う

今年1月に待望のニュー・アルバム『Red Barked Tree』をリリースしたワイアーが久々の来日を果たし、東京は代官山ユニットのアニヴァーサリー・イベントで、一夜限りのライヴをおこなう

80年代の初来日も00年代の2度目も、プライヴェートな都合により行けなかった(泣)ぼくとしても今回は絶対に行くつもりだ! ぼく(ポスト・パンク世代:笑)の彼らに対する思い入れは、それほど深い。『Pink Flag』にはじまる70年代の3枚のアルバム、ラフ・トレードからのイレギュラーなリリース(シングルやライヴ・アルバム)をへてミュート・レコーズからリリースされていた80年代の一連の作品、そして『Send』で00年代に復活をとげてからのEPやアルバム、どれもこれもが素晴らしい。

今チラリと述べたとおり、彼らはいわゆるポスト・パンクを代表するバンドのひとつと目されている。先日発売されたクッキーシーン・ムックではちょっとしたポスト・パンク特集を展開した。そこにおける「総論」(みたいなもの)の冒頭に、00年代におこなった(曲作りにおける)中心人物コリン・ニューマンの発言を長々と引用した。過去にぼくが直接おこなった、当時のバンドたちのインタヴューのなかで、ポスト・パンクというものを最も簡潔かつ適確に捉えた発言と思えたから。

その特集では、ザ・ポップ・グループやスロビング・グリッスル、ギャング・オブ・フォーのインタヴュー記事を並べたものの、ワイアーのページは(単独では)設けなかったことを微妙に後悔していたところ、来日が決まってさらにそれがふくらんだ(笑)。しかし今回、クラブ系ウェブ・サイト、ハイアーフリクエンシー(Higherfrequency)、および招聘もとであるユニットとの共同作業により、彼らのメール・インタヴューをおこなうことができた!

上記のようなムック(紙媒体)の「くくり」に「並べなかった」ことは、もしかしたら、よかったのかも? と思える部分もある(Read & Burn, i say!)彼らの最新インタヴュー。70年代から現在に至る彼らのバックグラウンドもよくわかる、興味深い内容となった。是非ごらんください。


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GLASVEGAS

確かに極端でめちゃくちゃな話だけど
すごく美しいと思わない?


古くはオレンジ・ジュースやジーザス&メリー・チェイン、さらにプライマル・スクリーム、それからティーンエイジ・ファンクラブ、モグワイやベル・アンド・セバスチャンやトラヴィスなど、素晴らしいバンドばかりを30年以上にわたって輩出しつづけたスコットランドの地方都市グラスゴー(なんとなく音楽ファンにとってスコットランドの代名詞っぽくなっているけれど「行政の中心」となっている町はエジンバラであることに注意:笑)。そこから00年代に登場した注目すべきバンドとしては、まず(フラテリスとかも悪くないけど、クッキーシーン的には?)フランツ・フェルディナンド、そして彼らグラスヴェガスだ。

09年にリリースされた彼らのファースト・アルバム『Glasvegas』の衝撃は、並大抵ではなかった。それにつづく彼らのセカンド・アルバム『Euphoric///Heartbreak\\\』がリリースされた。前作の「いいところ」を抽出して、見事にスケールアップしたような、これまた感動的な作品になっている。

しかし、ちょっと気になる部分もある。前作『Glasvegas』には、誰の琴線にも触れるエモーショナルな"うた"が、聴き手の心の"ふれてほしくない"部分にあえてつっこみをいれるような、ひりひりした感覚があった。今回はそれがちょっと減退している。リード・シンガーでありソングライターでもあるジェームズ・アランの"激情"が、理想的な形で整理されているような印象を受ける。もちろん、それはいいことだ。実際のところ前作は、正直"常に聴きたくなる"ようなものではなかった。なんというか"ズタボロな気分になって盛りあがりたい"ときに、あれほどはまるアルバムはなかった。ただ、体調が悪いときにはつらいというか...(それでも"愛聴盤"と言える。ぼくは、そういう状態のことが多いのか...:笑)。だけど今回は、もっと幅広いシチュエーションで聴ける!

そして先日ジェームズ・アランに電話インタヴューすることができた。ここぞとばかり、最近のバンドや彼の状態について、そしてこのアルバムのキモのいくつかについて、聞いてみた。

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THE VACCINES

バンドとして有名になることに抵抗はないけれど
セレブリティーと呼ばれる存在にはなりたくない


この5月にリリースされた、ロンドンを拠点とする4人組バンド、ザ・ヴァクシーンズのデビュー・アルバム『What Did You Expect From The Vaccines?』が、あまりに素晴らしい。

あの天災/人災後、日本はもちろん、国籍に関わらず「世界」は明らかに変わった。ここにも少し書いたのだが、クッキーシーンも少なからずその影響を受けている。ともすれば憂鬱な気分になってしまいがちな日々のなかで、なんとか前向きに進んでいくのに、これほど助けになるアルバムはないのではないかとさえ思える。

ひとことで言って、彼らの音楽は、その鼻っ柱の強さも含み、極めて若々しい。一方、妙に老成した雰囲気もある。そんな不思議なバランスを持ったバンドが、ぼくは昔から好きだ。R.E.M.だってエコー&ザ・バニーメンだってマガジンだって、当時はそんなふうに感じたものだ。おっと、いけない、またジジイっぽい発言になってしまった。ヴァクシーンズの音楽が彼らに「似てる」わけでは全然ない。Alive & kickingという英語の表現がぴったりくるような彼らの音楽には、ふさわしくない。

先日発売されたクッキーシーン・ムック『Pop & Alternative 2011』では、彼らと同じような若さを感じさせる(実際ほぼ同い年くらいの)コントリビューター氏に、彼らに関する原稿を書いてもらった(彼による本サイト・レヴューは、こちらに!)。できれば、それも読んでほしい。

ここでは、数ヶ月前の取材をもとに、それらと被らない取りおろしインタヴュー記事をお届けしよう。その原稿の執筆前に、件のコントリビューター氏に見てもらおうとも思ったけれど、いや、それでは(なんとなく)つまらないと思い(笑)キープしてあった完全未発表インタヴューです。

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photo by Roger Sargant

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LILLIES AND REMAINS

僕らの音楽は日本ではオルタナティヴかもしれませんが
作ろうとしている音楽はポップなんです


アルバムのレヴューで書いたように、リリーズ・アンド・リメインズというバンドは、ジョイ・ディヴィジョン、ザ・キュアー、バウハウス辺りバンドの血脈を受け継ぎながら、ポスト・パンク的なサウンドで低熱の疾走感とともに駆け抜ける、という日本のバンドの中でも"黒い色香を纏ったポップネス"を鳴らす稀有な存在である。このたび、セカンド・フル・アルバムの『Transpersonal』で彼らは確実にネクスト・フェイズに踏み込んだ。昨年、METALMOUSEと共同制作で進めたEP「Meru」で一気に音響工作へのこだわりも出てきた上、一気に音楽的な語彙も増えてきた中、今作では、より立体的になった音響空間内にシンセの導入やビート感覚が強化されたことで、大胆な進歩と深化が見られる。そして、ポスト・パンク的なサウンドとトランスパーソナル心理学に影響されたというスピリチュアルな歌詞がリンクしたその「捩れ方」は独自の着地点を目指す。今回、KENT(Vo,G)にその手応えを語ってもらうべく、書簡インタビューを試みた。結果として、非常に興味深い答えとともに、さらに先を見越してゆく強靭な意志がうかがえる意義のある内容になった。しっかり彼の真摯な想いを受け止めて、是非、彼らの音に触れて欲しいと切に願う。

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R.E.M.

伝えたかったのは"困難な変化が訪れても怖れないで
自分のプラスに変えよう"ってこと


R.E.M.の通算15作目『Collapse Into Now』は、90年代初頭、誰もが彼らを世界一のロック・バンドとして認識していた頃の自信と輝きを取り戻したような一枚だ。プロデューサーには前作に続いてジャックナイフ・リー(U2、スノウ・パトロール、エディターズほか)を迎え、パティ・スミスやレニー・ケイ、エディ・ヴェダー(パール・ジャム)にピーチズという胸躍るゲストが参加。レコーディングは、ポートランド、ニューオーリンズ、ナッシュビルのほか、デヴィッド・ボウイの『Low』やイギー・ポップの『The Idiot』、U2の『Achtung Baby』などの名作を生み出したベルリンのハンザ・スタジオでも行われた。

1996年にビル・ベリー(ds)が脱退して以降のR.E.M.にどこか物足りなさを感じていたリスナーも少なくないだろう。しかし、ポップなメロディと癖のあるサウンド・アプローチの融合を聴かせ、パンキッシュでエッジの効いたギター・サウンドとマンドリンやストリングスを織り交ぜた抒情性とのバランスを巧みに保った本作は、彼らの本領発揮と言えるいい意味でいかにもR.E.M.らしい作品となった。リスナーの心に希望を灯すような聴後感は、92年の名盤『Automatic For The People』を彷彿させる部分もあり、間違いなく彼らの最高傑作のひとつである。

ベースとバック・ヴォーカルを担当し、エディ・ヴェダー言うところの"R.E.M.の秘密兵器"であるマイク・ミルズに、厳寒のニュー・ヨークで話を聞いた。

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FRIENDLY FIRES

どんな状況でも前向きでいたいと思っている

フレンドリー・ファイアーズのファースト・アルバムには現実逃避の先にある甘美な夢がそこかしこに散りばめられていた。それは踊りながら脳みそが溶けていく瞬間のフィーリングが完璧にパッキングされた大傑作に違いはなかったが、5月にはリリースされる予定の彼らのセカンドがファーストを余裕で上回る出来であることは、おそらく間違いないだろう。何たって先行で試聴できた4曲が「Paris」と「Jump In The Pool」と「Lovesick」のそれぞれ優れたポイントをすべてより集めたような、信じ難いアンセム揃いだから。ファーストからのファンの期待は一ミリも裏切らず、もはや貫禄さえ漂う。早くも傑作揃いの2011年で、この「Pala」と名づけられた新作はどんな特別な輝きを放つのか。

去る2月に東京のみでおこなわれた一夜限りの来日公演前日、ワインと長旅の疲れで良い感じにヘロヘロになったメンバーに話を訊いた。

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HANNE VATNOEY

私は旅行しているような気分でプレイしたいの

去年、個人的にもっとも強く心に残ったアルバムはハンネ・ヴァトネの『Me And My Piano』だった。レヴューのほうでも書かせていただいたが、自分がポップ・ミュージックに求めるもののほとんどすべてが凝縮されたすばらしい作品だと思う(ちなみに彼女に強く影響を受けたアーティストを訊いたら、イモージェン・ヒープ、ケイト・ブッシュ、スザンヌ・アンド・ザ・マジカル・オーケストラの名を挙げて、妙に納得した)。このアルバムはリリースから数カ月が経った今日現在でも日本でしか発売されておらず、変に埋もれてしまうのは惜しすぎる才能である。彼女自身 "Colorful Spring"と称するその音楽は、これからの暖かくなってくる季節に聴くのにもぴったりだ。 

詳しくはインタヴュー本文を参照してほしいが、彼女の豊かなバック・グラウンドには驚かされるばかりだし、話を聞いているとノルウェーとは(文化事業的な意味において)なんてすばらしい国なのだろうと思わされる。以下は自身二度目の来日となった昨年11月に取材させていただいたもの(本当に遅くなってすいません...)。彼女はシャイでとても礼儀正しかったが、随所に見せるおてんばっぷりがいい味を出している。この取材のあとにライブもお邪魔させていただいたが、ノルウェーの若手技巧派ジャズ・ミュージシャンを従えてのパフォーマンスは活き活きとした楽曲も合間って迫力満点。チャーミングな面もつぎつぎ飛び出す微笑ましいひとときだった(ちなみに、そのときのようすはYouTubeなどでも観ることができる)。終演後、多くの手作り雑貨といっしょにハンネ・チョコと名付けられたキャラメル(!)を自ら物販していたのも印象的。音楽同様、頭からつま先までガーリッシュすぎる彼女の振る舞いを目にして、改めて虜にさせられたのであった。

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MOGWAI

いろんな意味で、変化する時期にあったんだと思うよ

モグワイのニュー・アルバム『Hardcore Will Never Die, But You Will』が素晴らしい。彼らは今も類い稀なるインスト・バンドだが、ここ数枚は歌入りの曲もあって、徐々に親しみやすさを増していた。今回もそう。無理をしているとかは全然感じない範疇で、ポップとさえ言えるアルバムとなっている。モグワイが? いや、本当なんです(笑)。もちろん彼ら独特の「人間的なヘヴィーさ」は存分に発揮されている。でもいい意味でライトな部分もある。明らかに最高傑作、と思う。

2月初頭の来日ライヴから数週間前、モグワイの中心人物である、おなじみの禿男ことスチュアート・ブレイスウェイトに電話をかけて、ショート・インタヴューを試みた。

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JONNY

自分たちが楽しむ音楽を
自由にやろうっていう、それがジョニーだね

ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクと元ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキのユーロス・チャイルドがスーパー・デュオ、ジョニーを結成! 共にポップなメロディー・メイカーとして知られる2人がデビュー作『Jonny』で聴かせるサウンドとは? デュオ結成のいきさつや2人の共同作業の過程、バンドの命名秘話までをノーマン・ブレイクに聞いた(2010年にリリースされた、ティーンエイジ・ファンクラブのアルバム『Shadows』リリース時の、ノーマンのインタヴューは、こちらにあります!)。

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HURTS

僕達は「それ以外」のことを強調した
音楽を作っているんだ


1月13日から15日にかけて、大阪と東京で計3公演をこなしたハーツ。僕は15日のライヴを観たんだけど、残念ながらアダムが病欠で不在だった。しかし、それでもハーツというバンドの本質の一端を垣間見ることができたと思う。その本質とは、ハーツというバンドが持つ「確固たるポップ観」だ。

『Happiness』のレヴュー
でも書かせてもらったけど、ハーツはすごく誠実にポップというものに向き合っている。でも、海外や日本国内のインタヴュー記事やレヴューを見てみると、80年代ニュー・ウェイヴやポストパンクとの比較論を基にしたものばかりで、正直うんざりしていた。そうした比較論でハーツを語る人達は、歴史性的文脈という過去の亡霊にとりつかれたアホです。いまや歴史性なんて無くなったも同然だし、だからこそ思いもよらない土地や国から素晴らしい音楽がたくさん生まれているというのに...。もちろん音楽的文脈が無くなったわけじゃないけど、それは「歴史」ではなく「人それぞれ」に存在しているのが「今」だと思うのだけど、どうだろうか? ただ、「人それぞれの文脈」は昔からあるものだ。でも、その「人それぞれの文脈」が多くの人に共有されるようになったのはゼロ年代以降の特徴だと思う。

そういう意味でハーツは「時代の寵児」としてポップ・スターになりえる資質を秘めた存在だと思う。それはインタヴューを読んでもらえば分かるけど、セオはあくまで「自分にとってのポップ・ミュージック」を語っているからだ(僕もそこを訊きたくて、そうした類の質問を多くしてみた)。前置きが長くなってしまったけど、とにかく読んでください。ハーツが真のアーティストであることが分かるはずだ。ちなみに、セオは美しかった。久々にノンケであることを悔しく思ってしまった。

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GLENN TILLBROOK
 
バンドという感覚は始めてすぐに手に入るものではなくて
時間をかけて培っていくものだ

「80年代のレノン/マッカートニー」と謳われ、ビートリーな曲調とひねたユーモアで一世を風靡した80~90年代の英国ロック・シーンを代表するニューウェーヴ・バンド、スクイーズ。歌詞担当のクリス・ディフォードとともに、バンドのソングライティングの中心を担っていたのがメイン・シンガーでもあるグレン・ティルブルックだ。スクイーズが99年に活動を停止したあともソロ活動を熱心につづけ、これまで三枚のアルバムをリリース。いずれも良作だが、とりわけ"グレンのポップ・ソング集"というよりは"バンドの作品"と位置付けるべき09年の三作目『Pandemonium Ensues』はペット・サウンズ風のジャケもあいまって、勢いあるグッド・メロディーが次々飛び出す傑作だ。ソロでの弾き語りや、みずからのバンドであるフラッファーズ(The Fluffers)を従えてのライヴも定評があり、日本にも何度も来日している。
 
昨年にはセルフ・カヴァー集『Spot The Difference』もリリースし、絶好調である再結成スクイーズのツアーが(日本にいるとイマイチ想像しづらいが)英米で爆発的な人気を誇り多忙を極めているなか、今年1月に(つまり、本当にまもなく!)グレンは5度目となる来日公演を控えている(*日程はコチラ)。瑞々しさを保った歌声と、表現力とサービス精神がたっぷり詰まったステージングは必見! なのだが、彼はその前にも昨年8月に来日している。癌患者支援のためのチャリティ団体Love Hope and Strength(以下LH&S)の参加者のひとりとして、富士山を登るために真夏の日本を訪れていたのだ。LH&Sは自身も2度の癌を克服した(これまた80年代を代表するバンドである)ザ・アラームのマイク・ピーターズが設立した団体であり、多くの有名ミュージシャンを含めた支援者たちは過去にもエヴェレストやキリマンジャロなどの名峰を登り、山頂ライブなどの活動を通じて基金を募ってきた。
 
このインタヴューはその8月来日時に行われたものである。今回はスクイーズの大ファンである方々に質問作成協力をいただき、その甲斐あってマニアックな部分まで訊くことができた。一方で、グレンの発言には昨今の再結成ブーム時代をサヴァイヴするひとりのミュージシャンの現実も含まれており、文中で語られる原盤権についてなど多くのベテランが抱える問題や、ザ・ルーツのクエストラブとの意外な関係など、グレンのことを知らない若い音楽ファンにもぜひ興味をもっていただけたらと思い、註釈を多めにつけてある。

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4 BONJOUR'S PARTIES

コンセプトは夢、つじつまが合わないような
見た後に不思議な感じがするような


日本を代表するチェンバー・ポップ・バンド。もしくは、東京発手作りオーケストラル・ポップ楽団。07年に発表されたファースト・アルバム『Pigments Drift Down To The Brook』を最初に聴いた時は思わずそんな印象を抱いたものだったが、あれから3年、フォー・ボンジュールズ・パーティーズ(4 bonjour's parties)はさらなる高みに辿り着いたようだ。リーダーの灰谷歩がオーストラリアはメルボルンに留学するなどマイ・ペースの限りを尽くした末にようやく完成させた2作目『Okapi Horn』は、視界がグッと広がり、価値観も柔軟になった新たな8人の姿をクッキリと浮き彫りにする象徴的な1枚だ。

ファーストではまだどこか神秘的な翳りをも秘めていた曲調はブライトになり、演奏にも躍動感と覇気が備わっただけではなく、メンバーそれぞれが何より楽しんで音楽と向き合っているのが伝わってくる。灰谷と矢作美和がメルボルン在住のた最終的にデータの交換などでアルバムを完成させたそうだが、そうした"物理的距離"を逆に生かしたような、想像力溢れる曲構成には何度聴いてもハッとさせられるし、聴くたびに新たな発見も多い。前作に引き続きTsuki No Wa/マヘル・シャラル・ハシュ・バズの庄治広光がミックスとマスタリングを担当。チェンバー・ポップという枠を超えたところで、「エッシャーなどの騙し絵の影響も大きかった」という灰谷らがいかに自由自在に音楽に向き合い、その迷宮を楽しんでいるかがわかる実に開かれたこの新作について、久々に日本に"里帰り"した灰谷が熱く語る。

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photo by Mitch Ikeda

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KIMONOS

「東洋と西洋の出会い」っていうか
もう出会ってるんですよね、とっくの昔に

00年代後半に最も注目される日本のニュー・アクトであったLEO今井が、元ナンバーガール、現ZAZEN BOYSの向井秀徳と組んだニュー・プロジェクトKimonos(キモノズ)が、アルバム『Kimonos』を発表した。これに期待を抱くなというのが無理と思うのだが、実際に音を聴いてみたところ、予想のさらに上を行く素晴らしさで、もう完全にうれしくなってしまった。

限りなく挑戦的でありながら、ポップ・ミュージックとして抜群のクオリティを備えている。どこか80年代に通じるようでありつつ、あくまで新しく、「未来的」とさえ言える。そんな意味で、これまでのLEO今井の作品の延長線上にありつつ、ハドソン・モホークあたりとシンクロするセンスも...と思ったら、向井のレーベル、MATSURI STUDIOからのアナログ・12インチ、およびiTunesからの配信オンリーで10月にリリースされたEPでは、カップリングにハドソン・モホーク・リミックスも!

そんなKimonosに秘められた感覚について、LEO今井に話を聞いた。

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FRANKIE & THE HEARTSTRINGS

20年後に改めて振り返っても
誇りに思えるような作品づくりを目指している

かつてフューチャー・ヘッズやフィールド・ミュージックなどの好バンドも輩出してきた、英国サンダーランド出身の新人バンド、フランキー・アンド・ザ・ハートストリングス。

オレンジ・ジュースやジョセフKといった80年代バンドたちの流れを強く汲んだ、青臭くも情熱的な歌詞世界と、毒や捻りもありながら軽快で引き締まったギター・ポップ・サウンドは、NMEをはじめとした媒体からも好評を博し、気が付けばすでにその人気はイギリスばかりかアメリカにも飛び火しそうな勢い。

間違いなく日本でもウケそうな音だし、フロントマンであるフランキー・フランシスの端正なルックスながら負けん気の強そうなキャラもたまらなく愛くるしい。これまでリリースしてきたシングルからの曲を集めた日本独自編纂のミニアルバム「Ungreatful」も先ごろリリースされ、さあこれでブレイク間違いなし...と思いきや、残念なことに出演が予定されていたブリティッシュ・アンセムが中止に。

不慮のアクシデントに見舞われてしまった彼らだが、当初の予定どおりに来日を果たし、こうしてインタヴューを敢行することができたのは嬉しかった。記事を読んでいただければおわかりのとおり、若いバンドは発言もフレッシュ。笑いの絶えない楽しいインタヴューとなった。今回はメンバーのキャラクターやバンドの個性を知ることに焦点を当て、話を聞いてみた。

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photo by Yuji Honda

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RA RA RIOT

アルバムには特にテーマは設定せずに
とにかく自由にやりたいことを詰め込んだんだ


ヴァンパイア・ウィークエンドと並び、デビュー前から各方面からの多大な注目を集め、アルバム『ランバ・ライン』で鮮烈なデビューを飾ってから2年。ニュー・アルバム『ジ・オーチャード』を引っ提げてラ・ラ・ライオットが帰ってきた。高まる周囲からの期待やプレッシャーを軽々とかわし、再び傑作を届けてくれた彼ら。一回りも二回りも大きく成長したバンドの現在について、ヴォーカルのウェスとベースのマシューに話を聞いた。

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GOLD PANDA

歌詞とかヴォーカルがなくても、"曲"ってものを作りたいんだ


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UKイースト・ロンドン出身、シャイな人柄とハートウォーミングな音楽性で現在、話題沸騰中のエレクトロ・ミュージシャン、ゴールド・パンダ。

過去にリリースされてきたEP(日本ではこれらのEPを纏めた独自企画盤『Companion』も)や、ブロック・パーティやリトル・ブーツなど大物たちのリミックス・ワークでじわじわとその名前を浸透させてきた彼だが、先ほど発表された待望のフル・アルバム『Lucky Shiner』で遂にブレイク。エイフェックス・ツインとなぞらえられたり、「ポスト・ダブステップ世代の俊英!」みたいに持て囃されたり、DOMMUNEや朝霧ジャムにも出演したりと、にわかに周囲は盛り上がりを見せているが、本人はいたって謙虚。

インタヴュー中も実にマイペースであっけらかんとしていて、ジョークも飛ばすし、ナーディな佇まいも併せて非常に共感。かわいい!

内省的でセンチメンタルな作風となったアルバムのことを中心に今回は話を聞いてみた。すでによく知られているように、若いころに日本滞在の経験もあり日本語検定二級も取得済みの彼。話を聞くだけなら通訳いらずの語学力にも驚いたが、インタヴューの行われた畳の間に座る姿が恐ろしいほど場に溶け込んでいてまったく違和感がなかったこと。そして、機材や楽器を巧みに操る指先が、男性とは思えぬほど綺麗で思わず見入ってしまったことを最初に付記しておこう。


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EVERYTHING EVERYTHING

ポップへの愛は抱きつつ、つい惹かれちゃうんだよね
ストレンジな要素を入れちゃうことに


忙しなく跳ねまわるメロディとファルセット・ヴォイス、マス・ロック的な複雑な構成を魅せるバンド・サウンド。コーラス・ハーモニーは奇妙さも内包しながら神々しい響きもときおり魅せるが、唄われる歌詞にも二重三重の知己に富んだ意味が委ねられ、その音はファンクともソウルフルともプログレッシブとも形容しうるし、そのうえポップでキャッチーなところも兼ね備えていて...。

マンチェスター出身のニューカマー、エヴリシング・エヴリシングは、目新しさという点で長年低迷と目されている英国ロック界のなかで圧倒的な存在感と貴重なオリジナリティをもった、まさしく待望のバンドと位置付けることができるだろう。いい意味でのヒネくれ方に、演奏力も表現力も新人離れしている。

最高のタイミングで日本限定リリースされたミニアルバム「Schoolin'」と、楽曲の複雑さはそのままに激しくエモーショナルに鳴らされたサマーソニックでのパフォーマンスで、"英国らしさ"にうるさい日本の音楽ファンの心も一気に鷲掴みにした彼ら。少し遅れての掲載となってしまったが、サマーソニックの翌日、渋谷Duo Music Exchangeでのライブ直前にヴォーカル/キーボードのジョナサンと、ベース/キーボードのジェレミーに話を聞いた。


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DETROIT SOCIAL CLUB

もしデヴィッド・リンチの電話番号をご存知だったら
「僕がスコアつけますよ」って伝えてもらっていい(笑)?


UK北部のニューキャッスルから現れた大型新人バンド、デトロイト・ソーシャル・クラブ。アルバム『Exitence』のもつ音の黒さにサイケデリックなムードと重く崇高な演奏はすでにスタジアム・バンド級の貫禄で、NMEなど現地マスコミやオアシスを初めとした大物バンドの支持を得て早くも人気爆発の兆しを見せている。

デトロイト・ソーシャル・クラブはバンドという体裁をとっているが、ヴォーカルのデヴィッド・バーン(超有名なアチラのデヴィッド・バーンとはスペルが微妙に違う:笑)の実質的なソロ・プロジェクトである。フジロックで魅せた正にロックンロールな激しいステージングと、英国ロックの伝統のひとつである不良っぽい佇まいにインタヴュー前は正直若干ビビっていたが、実際に話してみると実にイギリス人らしい、気さくでよく喋るお兄さんでイメージとのあまりのギャップに面喰ってしまった。サービス精神とユーモラスなへらず口(いい意味で!)も一級品だが、アートについての教養の深さも垣間見せる好人物な彼とのインタヴューをお届けしよう。


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SUPERCHUNK

9年間あまり活動していなかった間もサポートしてくれたファンを
驚かせてエキサイトさせるようなものを作りたかった


スーパーチャンク・イズ・バック!!! 昨年リリースされた「Leaves In The Gutter」EP(日本盤はライヴ盤が付いた二枚組)や、最高だった来日公演からも予想出来た通り、9年振りのニュー・アルバム『マジェスティ・シュレッディング』は、21年目のバンドだとは思えないくらい若々しくてエネルギッシュな傑作に仕上がっている。ヴォーカル/ギターを担当するバンドの中心人物であり、マージ・レコーズのボスでもあるマック・マコーンにいろいろな話を聞いた。

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EDWYN COLLINS

レコーディングのやり方からも
本当にオリジナルな音が生みだされてきてると思う


日本では、元オレンジ・ジュースの中心人物ということから、いわゆる「ネオアコ」イメージでとらえられることの多いエドウィン・コリンズだが、正直「日本におけるネオアコ・イメージ」とオレンジ・ジュースは、相容れない部分も少なくなかった。たとえば今このサイトに掲載されているインタヴューだけでも、マニック・ストリート・プリーチャーズザ・ドラムスが嬉々としてエドウィンについて語っている...なんて事実からも類推されるとおり、彼が80年代以降現在に至るさまざまなバンドたちに与えた影響は、あまりに大きい。

90年代なかばには、傑作シングル「A Girl Like You」を含むサード・ソロ・アルバム『Gorgeous George』を世界中で大ヒットさせている。その曲が1994年から1995年にかけてのオン・エア・チャートを席巻しまくった本国UKやヨーロッパ(当時UKにいる機会が多かった筆者だが、本当にもうそこらじゅうでかかっていて、びびった)はもちろんのこと、アメリカでもバーナン(Bar/None)という極小インディーからのリリースでありながら全米トップ40に食い込み、ビルボードなど業界誌でも騒ぎになっていた。ここ日本でも、メジャー傘下ながら最初はインディー・ディストリビューションで数千枚を売り切り、少しあとにメジャー・ディストリビューションで数万枚単位の再発がおこなわれた(筆者=質問作成者がやっていたレーベルだし、数字的にもまったくウソはないですよ:笑)。

00年代に入ると、その90年代に自ら設立したスタジオでリトル・バーリーやザ・クリブスのプロデューサーとしても敏腕をふるいつつ新しいアクションが期待されていた。ところが今から数年前、突然脳出血で倒れ、存命さえあやぶまれていたのだが、ついに奇跡の復活をとげた。

そして最高のニュー・アルバム『Losing Sleep』を完成させた!

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まずは、すでにユーチューブにアップされている、アルバム・タイトル曲「Losing Sleep」のクールなモノクロ・ヴィデオ・クリップを見て/聴いてほしい。

この曲のレコーディングに参加した(リトル・バーリーの)バーリー・キャドガンも映っているようだ(彼らの音楽は好きだけどヘヴィーなファンではないので、はっきりわからなくて、すみません:汗)。そして、エドウィンの作品には『Gorgeous George』のころからずっと参加している(90年代なかばの、今のところエドウィンの最後の来日公演にも同行した)元セックス・ピストルズ、ポール・クックの勇姿も!

アルバム『Losing Sleep』全体には、ポールやバーリーのみならずザ・クリブスのライアン、同じく現ザ・クリブス/元ザ・スミスのジョニー・マー、ほかにもザ・ドラムスや(同郷グラスゴー出身で、オレンジ・ジュースの再発をドミノがおこなっていることを考えた場合レーベル・メイトともいえる)フランツ・フェルディナンドの面々、さらには盟友ロディー・フレイム(=アズテック・カメラ)といったキラ星のようなミュージシャンたちが参加して、エドウィンをいい形で盛りたてている(ちなみに、取材後にCD現物を見て気づいたのだが、元アズテック・カメラのドラマーでフリッパーズ・ギターの作品でも叩いていたデヴィッド・ラフィーも参加している。同名異人でなければ)。

というわけで、このアルバムおよびエドウィンの現状にせまるべく、電話インタヴューをこころみた。エドウィンと並んで、グレース・マックスウェルという女性も登場している。

彼女はエドウィンの「姉さん女房」的存在。エドウィンとにあいだにひとり息子がウィリアムがいる家庭内のみならず、ソロ・アーティストとなってからのエドウィンの音楽活動面もずっと仕切ってきたマネジャーだ。90年代に先述の大ヒットを飛ばしたあとも、エドウィンはビッグなマネジメント・オフィスとは契約せず、プライヴェート・マネジメント・スタイルで、DIY的に活動をつづけている。グレースは、公私ともにエドウィンのよきパートナーであり、脳出血後の最初は朦朧とした状態から始めてエドウィンが作りあげた新作『ルージング・スリープ』の、ある意味最も重要なスタッフといえるだろう。

基本的に「反保守派」であるエドウィンは、90年代なかばの段階でも、彼女との「籍」を入れていなかった。今はわからないけれど...というか、日本盤ライナーノーツ(無署名ではあるが力の入ったいい原稿。おそらく海外のライター氏によるものだと思う)によれば、エドウィンが脳出血で生死のあいだをさまよったあと、最初に発することができた言葉は「グレース」「マックスウェル」「イエス」「ノー」だけだけだったという。泣ける話ではないか。

OMD

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OMD (ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK)

年寄りがつまらないレコードを作るのは
彼ら自身がつまらない気持ちでレコードを作るからだよ


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オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ダ・ダーク...闇にまぎれたオーケストラ的戦略...、略してOMD。そう名乗る彼らは、70年代末にリヴァプールから登場したエレクトロニック・バンドだ。ほぼ同時期にシェフィールドから登場した初期ヒューマン・リーグやキャバレー・ヴォルテール、エセックスで結成されたデペッシュ・モードが今も一定の評価を受けているのに比べ、彼らに勝るとも劣らない素晴らしさだったOMDの知名度が、現在とくに日本で低すぎるのはなぜだろう?

その理由は、なんとなくわかる。たとえば出世作となった1980年のシングル「Enola Gay」には、広島に原子爆弾を投下したアメリカの戦闘機の名前をタイトルに冠するなど、その一見脳天気なメロディーとは相容れないテーマ性が隠れていた。逆に、60年代の有名なポップ・ソングからタイトルだけを拝借した1984年の「Locomotion」という曲(これだけ有名な曲のタイトルを「パクる」なんて並の神経ではできない:笑)が入っていたポップかつエクスペリメンタルな傑作アルバムは『Junk Culture』と題されていた。なんて素敵なタイトル! こういった、ちょっとねじれた皮肉っぽさが、「単純にクール(だということがわかりやすい)」ものを求める層には理解しづらかったのかもしれない。

彼らの魅力のひとつは、ポップかつキャッチーであること。だけど、アイディア一発のエクスペリメンタルなサウンドも刺激的。1981年の傑作アルバム『Architecture & Morality』などには、はかない美しさも漂っていた。OMDの音楽は、ある一定のイメージでとらえることがむつかしい。80年代を代表する青春映画『プリティ・イン・ピンク』で使用された1986年の「If You Leave」も、あまりにヒットしすぎた。オリジナル・アルバムには入っていない、サウンドトラックからのシングル・カット・オンリーだったこの曲の大成功が、彼らのイメージをさらに拡散させてしまった。超名曲だと思うし、いまだに大好きなんだけど...。

1979年のデビュー・シングル「Electricity」は、最初マンチェスターのファクトリー・レコーズから出たあと、メジャー傘下レーベルから新ヴァージョンが再リリースされた。このヴィデオは、当時の、いわゆるポスト・パンク的なノリをよく伝えている。あのままファクトリーにいつづけたら、今も「クール」な存在と目されていたのだろうか? 歴史に「もしも」はないとはいえ、よくわからない...。

そんな彼らが、80年代の全盛期のラインアップで活動を再開していたことは寡聞にして知らなかった。しかし、突然届けられた(このラインアップとしては)24年ぶりのニュー・アルバム『History Of Modern』が、マジで、いい!

80年代前半まで(ヴァージン系に移籍したあとも)彼らのアートワークを手がけていたピーター・サヴィル(ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーなど、ファクトリーの一連の作品のアートワークで知られるデザイナー)と27年ぶりに組んだことも注目される。とりあえず、リード・シングル「If You Want It」のオフィシャル・ヴィデオをチェックしてみてほしい。この、実録ドキュメンタリーなのかアートなのか悪ふざけなのかよくわからない感じも、実にOMDっぽい(というか、最高!)。

そして、少しでも彼らに興味を持ったら、是非以下のインタヴューを読んでみてほしい。ちなみに、キーンとか、(ヒューマン・リーグやキャバレー・ヴォルテールと同じくシェフィールドから登場した:笑)アークティック・モンキーズなんてバンド名も、インタヴュー前半の重要なキャラクターとして登場。他にも、ファクトリー・レコーズ主宰者であった故トニー・ウィルソンのエピソードとか、いろいろ出てきますよ!

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MANIC STREET PREACHERS

俺たちの音楽には、ポジティヴな憂鬱
とでも呼ぶべきものが入ってると思う


photo by Dean Chalkley
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このすさまじいまでの高揚感は、いったいなんなんだ! 外に出かけたいと思いつつ、ずっと部屋に閉じこもっていた男が、太陽の光をいっぱいに浴びながら広い世界に一歩踏みだしたときのような。20年以上のキャリアを持つバンドが、なぜこんな弾けるようなアルバムを作れるんだ?

90年代初頭以降、彼らは巨大な音楽ビジネスとまっ正面から渡りあってきた。インディー・ミュージックに入れこんでいるけれど、もちろんほかの音楽も大好き。スモール・サークルには安住できない一方で、ショウビズに「飼い慣らされる」ことは拒みつつ、それ自体から無理に目をそらす...つまり「逃げて」しまうことはない。そんな彼らの微妙な立ち位置が、もしかするとこの時代の要請におそろしくマッチしているのかもしれない...なんてことさえ考えてしまった。

『Postcards From A Young Man』。彼ら自身の実年齢がいくつだったとしても、これは、まさにそんなタイトルにふさわしいアルバムとなった(レヴューは、こちら!)。ヴォーカリスト&ギタリスト、ジェームス・ディーン・ブラッドフィールドに聞いた。

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FRAN HEALY

今回は、途中で失ってしまったものがなかった

決してセンセーショナルではないものの、そんなこと必要ないだろ? とばかり、マイペースでとにかく心にしみる素晴らしい歌をやりつづけてきたトラヴィス。グラスゴーから登場した90年代後半、オアシスのノエルが彼らをおおいに気に入ってフロントアクトに起用したことなどから人気爆発、R.E.M.やレディオヘッドを手がけたナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースを手がけた99年のセカンド・アルバムは、リリース後じわじわとチャートを上昇し、数ヶ月たってからナンバー・ワンを獲得した。「初動」プロモーションを重視するCDビジネスの世界では非常に希なことだ。それ以来UKでは国民的人気バンドとなった彼らだが、2008年には自らのレーベルを設立し、そこからアルバムを発表するなど、挑戦的な活動をつづけている。

そんなトラヴィスの中心人物、フラン・ヒーリィが、ソロ・アルバムをリリースした。バンドで聴けるエモーショナルかつセンシティヴかつ素直なメロディーが、よりダイレクトに楽しめる素晴らしい作品となっている。ノア・アンド・ザ・ホエールのメンバーや、ニーコ・ケースが参加しているというという情報も、なるほど、とうなずかせる作風だ。そのうえ、ポール・マッカートニーまで1曲ベースで参加。うーん、やはり一筋縄ではいかない。ということで、フランに話を聞いた。

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OGRE YOU ASSHOLE

"森ガール"...(笑)。僕らはいたるところで
"森ボーイ"って言われるようになりましたね

彼らの音楽は、決して明るくもないし暗くもない。でも、どちらかといえば暗いほうに傾いているのかな? と思っていた。そして彼らの音楽は「未来への希望」にも「徹底的な絶望」にも寄りすぎていない。希望も絶望も、両方備えている。

そんななか「希望」寄りの曲...たとえば「コインランドリー」とかが、筆者としてはとくに好きだった。コインランドリーで洗濯してるのに「未来への希望」ってのもヘンな話だが(笑)。そして彼らのニュー・ミニ・アルバム「浮かれている人」は、タイトルどおり、これまでになく明るい感じだ。「浮かれている」から明るい、というのも、なんか...(笑)。だけどそこには、明らかにある種の「希望」が、そこはかとなく感じられるのだよ。サウンドも含み、明らかに新機軸だ!

ここ最近の一連の作品同様、プロデューサーに石原洋、エンジニアに中村宗一郎という名コンビ(ゆらゆら帝国などで知られる)を迎えたこの作品は、どのようなノリで完成したのか?

さる8月後半にくりひろげられた、中心人物出戸とクッキーシーン伊藤のゆるい会話(笑)を「ほぼ完全ノーカット、最低限の編集しかしていない」状態で、お届けします。

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JOHNNY MARR & OGRE YOU ASSHOLE

つきつめると、音楽さえ良ければ
たいていどんなことでも我慢できるんだ


昨年のザ・クリブス東京公演を見にいったとき、フロント・アクトをオウガ・ユー・アスホールが務めていた。彼らはたしかにいいバンドなんだけど、これまで(とくに中心人物の出戸が)USインディー・ファン、というイメージが強くて、ちょっと意外なとりあわせだと感じた。現在はクリブスのメンバーとなっているジョニー・マー(もちろん、ザ・スミスのギタリストとして最も有名)に、開演前の楽屋でちょっとだけ話をする機会があったのだが、オウガの話になると目を輝かせ、「いいバンドだよね!」と言っていた。あとで聞いたところによると、この日彼らが演奏するのも、ジョニーの強烈なプッシュで実現したらしい。そういえば、ジョニーって、クリブスに加入する前はモデスト・マウス(これは出戸も大好き)にいたわけじゃん...と考え、なんとなく、つながり(?)が見えてきた。

そしてフジ・ロックの初日には、偶然にもクリブスとオウガ・ユー・アスホールがどちらも出演する。この機会を逃す手はない...というわけで(とくにジョニーは、あまりにビッグな人なので、できるかな...と思いつつ)両バンドの対談を申し込んだところ、あっさり実現してしまった。

以下、その全貌であります!

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all photos by Toru Yamamoto

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!!!

変わっていくことっていうのは
すごくナチュラルで、美しいことだと思う


バンドのハイ・エナジーをそのまま落とし込んだような作風から、ミニマルで、エディットがふんだんに盛り込まれた作風へと移行した最新作『Strange Weather, Isn't It?』を引っさげて、堂々フジロック初日、ホワイト・ステージのトリを飾った!!!。まだまだ新作からの楽曲は試運転段階のようだが、これまで以上にグルーヴィーな新しいバンド像を垣間見せる、貴重なステージだったと言っていいと思う。インタビュー中でニックが語っているように、10月の単独公演(こちらもご参照ください!)では新曲をより自分たちのものにし、さらに素晴らしいステージを見せてくれることだろう。今回のインタビューではフジロックや新作の話はもちろん、ダンス・バンドの流行から、はたまたイギー・ポップの是非まで、様々な話を聞かせてくれた。

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TEENAGE FANCLUB

長い間レコードを作っていなかった僕らの
新作を作る喜びが反映された結果じゃないのかな


新作『Shadows』を6月に発売したグラスゴーの永遠のギター・ポップ・バンド、ティーンエイジ・ファンクラブ。エヴァー・グリーンな歌心を失わない彼らが、5年ぶりの新作で目指したサウンドとは? 8年ぶりの単独来日公演を10月に控える中、新作の内容からメンバーのサイド・プロジェクト、今や20年以上の活動歴となったバンドが長く続く秘訣までを、ノーマン・ブレイクに聞いた。

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THE VASELINES

聴いたらすぐに「これはヴァセリンズだ!」って
思ってもらえるようなアルバムを作りたかったんだ


ニルヴァーナのカート・コバーンが憧れたことでも知られる80年代の伝説的グラスゴー・バンド、ヴァセリンズが奇跡の再結成を行ない、さらになんと21年ぶりとなるセカンド・アルバム『Sex With An X』をリリース! ミュージシャンとして成長しながら、当時と変わらないエネルギッシュな作品を作り上げたバンドの中心人物のユージン・ケリーとフランシス・マッキーの2人に、待望の新作で目指したサウンドについて聞いた。

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Photo by Wattie Cheung

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PARAELE STRIPES

音楽がないと生きていけないというのが当たり前の世界で
何をするにつけても音楽が必要だなというか


音楽シーンの中心から遠く離れた福岡で、とびきりハイテンションなダンス・ミュージックが鳴らされている。アメリカ帰りのイケメン・Marsと、実に今の日本らしいオタク・松下の二人組によるパラエル・ストライプスが先ごろリリースしたミニ・アルバム「feyz」は、ポップのときめきと独立独歩な姿勢の逞しさが共存するたまらない内容だった。そんな充実作を引っ提げてツアー真っ最中の彼らだが、ヴォーカルのMarsに電話インタヴューを敢行した。

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ILLREME

音を出して、レスポンスを受けて、また自分が反応する
そんな音楽の空間を作っていってる感じ


リリースから数ヶ月たったイルリメの最新5曲入りミニ・アルバム「360° Sounds」だが、未だにその新鮮さはまったく色あせないどころか、彼の最近の活動ぶりを見聴きしても(していなくても)、「新しいフェイズ」のスタート地点としての重要度をますます増しているように感じられる。

<夢中になったら始めとけ。その気があるやつ音鳴らせ。次の時代がやってくるぜ。新しい音が見たいんだ>

収録曲「We Are The Sound」の一節。これは、まさにそんな姿勢のトリガー(引き金)となる音源(レコード)ではないか。数ヶ月前、「360° Sounds」リリース直前(このサイトが「プレ・オープン」する少し前)のイルリメに話を聞いた。話の内容としても全然古くなっていない(というか、オープンに際するドタバタによりアップが激しく遅くなってしまい、本当に申し訳ありませんでした...)のみならず、そこで語られている姿勢を捕捉するような、最新情報も添えてお届けしよう。

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I AM KLOOT

曲の主人公たちは、夜空を見上げながら、多くの場合は
まだ答えを探している段階で、結論まで至っていない


現代きっての吟遊詩人...もしくは孤高のソングライターと評されてきたジョン・ブラムウェル率いるバンド、アイ・アム・クルート。2001年にウィー・ラヴ・ユー・レコーズからファースト・アルバムをリリースした頃は、キングス・オブ・コンビニエンスやコールドプレイらと並ぶ「ニュー・アコースティック」勢のひとつにカテゴライズされていた。彼らはマンチェスター出身。当時その町で話題になっていたアーティストにたとえるなら、バッドリー・ドローン・ボーイに通じる部分も。当時クッキーシーンに掲載されたインタヴューで、ジョンはこんなふうに語っている。

「ソングライティングを始めたきっかけのひとつは、ブレヒトの『Mack The Knife』(注:クルト・ワイルが作曲を手掛けた『三文オペラ』劇中歌)。あの曲は、まるで自分の一部のように思える。泥棒や、くず拾いや、ヤクザものが、一斉に迫ってきて、うなったり、ささやきかけてくる。俺は、伝統の中でいつの間にか埋もれてしまい、あまり顧みられなくなった音楽を現代によみがえらせたい。棍棒や、銃や、レンガをかざして。そういった曲は、松葉杖をついているか、車椅子に乗ってやってくる。以前、俺のことを、病気によるひどい内股のジーン・ヴィンセント(注:波乱の人生を送った50年代のロックンローラー。露悪的だが真摯な"うた"を不自由な身体で歌いつづけた故イアン・デューリー、も彼に捧げる『スウィート・ジーン・ヴィセント』という曲をやっていた)と形容するレヴューを見たけど、すっげえ気に入ったよ(笑)」。

あれから、もう10年近く。その志向性にふさわしい渋みや年輪も身につけたアイ・アム・クルートが、明らかに最高傑作と思える5作目のオリジナル・アルバム『Sky At Night』を完成させた。同じマンチェスター出身の盟友エルボーのメンバーがプロデュースを担当している。日本にはあまり情報が広く行きわたっていないようだが、エルボーは本国では相当の人気バンドだ。そして、これまでイギリスやヨーロッパで着実に評価を高めてきたアイ・アム・クルートの道程を祝福するかのように、『Sky At Night』は全英トップ20に迫るヒット・アルバムとなり、マーキュリー・プライズの「2010 Albums Of The Year」にも選ばれてしまった。いや、そんなことより、あるビッグなアーティストがこんなふうに語っているという事実のほうが、アイ・アム・クルートの魅力を日本のロック・ファンに伝える手段としては、より適確なのかもしれない。

「ジョン・ブラムウェルは、この10年でこの国が生み出した、最も優れたソングライター4人のうちの1人である」(ピート・ドハーティ)

アコースティックかつソウルフルな魅力にもあふれた『Sky At Night』は、なぜ「深遠でありながら同時にポップであり、不思議な軽やかさ...風通しのよさを感じさせる」のか? その「塩梅」の秘密に少しでも迫るべく、ジョンに聞いた。

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BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB

音源を聴いて叩いてみてくれないかって言われた
そして今私の夢が叶ったってわけね


ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ。このバンドを最近知った人もいると思うのでまずは簡単に説明しておこう。元々一緒にバンドをやっていたピーターとロバートが当時一緒に脱退し新バンドを結成するためドラマーを探していた。そこへイギリス人のニックが加入。3人はデモ・テープを作り、サンフランシスコからロサンゼルスへと移り住む。L.A.で本格的にバンド活動を始め、EMI傘下ヴァージンと契約。2002年にセルフ・タイトルのデビュー・アルバムを本国でリリースし、翌年日本でも東芝EMIからデビューした。同年フジ・ロック・フェスティヴァルにて初来日を果たす。ところが4thアルバム『ベイビー81』をリリース後ニックが脱退。今回の5thアルバムでは新たなドラマーを迎えレコーディングされた。

ピーターとロバートは声や風貌が似ているが、それ以外の部分では対照的な存在である。違う意見を持ち、違う立場を持っている。ニック脱退において重要だったのは、彼のことを客観的に見られるロバートと主観的に見られるピーターの彼に対するケアにあると思う。それがどこかでニックを閉鎖的にし、完全にオープンになれないまま脱退するに至ったのではないかと筆者は推測する。ニックは常に孤独だった。前途のフジ・ロック・フェスティヴァルで全員にお会いしたときも単独ツアーで日本に来たときも常にニックだけが単独行動をとっていたり、バンドの練習やツアーでのショウに一人だけ来なかったときもある。何が彼をそこまで追いつめたのか、それは今や永遠の謎である。

ここでお届けするのは今バンドの中立地点にいると言える新ドラマーのリアのインタヴュー。中立だからこそ見えてくる、そして新加入だからこそ言える、レアな内容となっている。

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THE CORAL

魔法みたいな瞬間をとらえる
ミステリアスな場所、って感じなんだけどね


しなやかさと力強さが同時に激しく増している。2008年のベスト・アルバム『シングルズ・コレクション』では、スタイルに左右されないザ・コーラルの「曲そのものの素晴らしさ」をあらためて痛感した。オリジナル・アルバムとしては2007年の『ルーツ&エコーズ』以来となる、彼らの新作『バタフライ・ハウス』には、誰もが一聴して耳(と心)をうばわれてしまうような、彼らのそんな魅力が最大限に発揮されている。とても風通しのいい形で。問答無用の気持ちよさではないか。

エコー&ザ・バニーメンやティアドロップ・エクスプローズ、アイシクル・ワークスから、ザ・ラーズをへて今に至るマージーサイド・ミュージックの豊穣さを、00年代から現在にかけて、誰よりも鮮やかに提示してきたのが彼らなのだ。一瞬の輝きを放って「伝説」になるバンドもいる。しかし彼らは、そういった者たちに勝るとも劣らないインパクトを各アルバムで残しながら、一歩ずつ着実に成長してきた。この『バタフライ・ハウス』は、そのあまりにも見事な証左となっている。中心人物ジェームス・スケリーに聞いた。

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TIRED PONY

確かに、オレゴン...ポートランドは
アルバムに大きな影響をあたえてくれた


かつてベル・アンド・セバスチャンと同じジープスターからレコードを発表していたグラスゴーのバンドということで、いまだに彼らの弟バンド的にとらえる向きもあるかもしれないが、スノウ・パトロールは今や英米ではビッグな存在となっている。とくにUKでの人気はすさまじく「00年代にUKのラジオで最もたくさんオン・エアされた曲」は、スノウ・パトロールの「Chasing Cars」(2006年のアルバム『Eyes Open』収録曲)なのだ。ジェームス・ブラントやテイク・ザット、シザー・シスターズやシュガーベイブスよりも上(ちなみに、トップ10にコールドプレイが入ってないのは、ちょっと意外。彼らの人気って、アメリカ・ベースなんですね...)。

そんなスノウ・パトロールの中心人物ギャリー・バックが、R.E.M.のピーター・バックらと組んだスペシャル・バンドが、タイアード・ポニーだ。ほかにも、ベル・アンド・セバスチャンのリチャード・コルバーン、M・ウォード、彼といっしょにシー&ヒムをやっているズーイー・デシャネル、エディターズのトム・スミス、そしてザ・ヤング・フレッシュ・フェロウズ/ザ・マイナス・ファイヴ(R.E.M.へのゲスト参加でもおなじみ)のスコット・マッコーイなど豪華な面子が参加したデビュー・アルバム『ザ・プレイス・ウィー・ラン・フロム』は、感情の流れがダイレクトに伝わってきて、心にしみる傑作だ。ギャリー・ライトボディに聞いた。

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BAND OF HORSES

日常生活でどんなに辛いことがあっても
前を向いて進んでいく、っていう


バンド・オブ・ホーセズが奏でるメロディはまるで星が瞬く宇宙のような包容力を持ち、私たちを希望の光が差す場所へと連れて行ってくれる。あのエディ・ヴェダーも絶賛する実力派バンドだが、今年リリースされた新作もすこぶる評判が良い。もはや彼らはある限られたカテゴリの人たちに熱心に聴かれるバンドではない。そのサウンドはノスタルジックでつい涙腺が緩んでしまうが、ただの逃避行に終わってしまわないのが彼らの魅力。前へ進むことはこんなにも切なく、美しいことなのだ。やたらと気の優しそうなドラマーのクレイトン・バーレット(外見は刺青だらけでゴツい)とギター&コーラスのタイラー・ラムゼイにインタビューした。

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DARWIN DEEZ

荒さがあるからこそリアルな質感が生まれる

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「NME期待の新人」に選ばれ、NME Rader Tourへの参加が決定し、サマーソニック2010にも出演したダーウィン・ディーズ。



彼は超が付くほどの気分屋ポップ・シンガーだった。



跳ねるようなポップ・ソング・アルバム『ダーウィン・ディーズ』について、そして彼の素顔に迫った。



というより素顔そのままであった。

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LOCAL NATIVES

フリート・フォクシーズが出てくる前から
レコードに収められている曲は書きあげていたよ


野性的で熱のこもったサウンドと美しく息の合ったヴォーカル・ハーモニー、圧巻のステージングでロサンゼルスから頭角を現し、主要メディアから多くの音楽ファンまで絶賛を集め、早くも独特の地位を築いた新鋭バンド、ローカル・ネイティヴス(Local Natives)。インタヴューでは昨今のUSインディー勢に通じる知的さ/真面目さを印象づけられた一方、ファニーで初々しい一面もときおり垣間見せてくれた。大興奮のパフォーマンスが繰り広げられたフジロックの前日、キーボード/パーカッションを担当しステージでは中央を陣取る最年少のケルシー、インタヴュー中にずっと自分の手に落書きをしていたお茶目なベースのアンディ、愛くるしい童顔とパワフルな叩きっぷりのギャップが痛快なドラムのマットの三人に話を聞いた。

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THESE NEW PURITANS

ドラムは自分達のサウンドにとって外せないし、
大きな太鼓の力強い音を聴いて絶対使いたいと思ったんだ


アルバムのリリース前から各方面で話題を集め、ファッション・アート方面ともコラボレートしながら独自の世界観を表現してきたジーズ・ニュー・ピューリタンズ。今年頭にリリースされた傑作セカンド『ヒドゥン』を携え行われたアジア・ツアーの初日となる大阪公演で、ヴォーカル/ギターのジャックと、ドラムス/パーカッションのジョージに話を聞いた。

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THE RENTALS

実際去年、僕らはアルバムを4枚作ったようなものだったから(笑)

みんな大好き! 元祖泣き顔男、マット・シャープ率いるレンタルズのトリビュート・アルバム『Lost Out In The Machinery - The Songs Of The Rentals -』が発表された。インタビュー中にも登場するヤー・ヤー・ヤー・ヤーズ、アッシュ、ティーガン・アンド・サラ、日本から唯一参加のアジアン・カンフー・ジェネレーションに加え、モーション・シティ・サウンドトラックやコープランド、オズマやトーキョー・ポリス・クラブといった多彩な面子が参加し、それぞれの解釈を加えたレンタルズ・ナンバーを披露してくれている。日本では06年のNANO-MUGEN FES.への参加以降、彼らの活動について耳にする機会があまりなかったが、昨年は『Songs About Time』という一大プロジェクトのために忙殺さていたのだという。では、マット・シャープに、そのプロジェクトやトリビュート、バンドの今後についても聞いてみよう。

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CAUCUS

踊りたい人は踊っていいし座って聴きたい人は
座っていいし、その自由度は狭めたくない


サウス・バイ・サウスウエスト(世界最大級の音楽フェスティヴァルのひとつ)に参加したインディー・ロック・バンド、コーカス。彼らはいまこの瞬間にしか鳴らせない音を奏でる。インタビュー中、とてもフレンドリーでびっくりしたが、それもまたコーカスの嫌味の無い音楽性に繋がっているのかもしれない。途中、逆取材を受けたことにも驚いたが、それもリスナーとの親密な関係を自然と築いてしまう彼らにしてみれば不思議なことでも何でもないのかもしれない。新作ミニ・アルバム「going for a lonesome dream」を中心に、バンド・リーダーの柳川勝哉(Vo. Gt.)、そして川上宏子(Vo. Gt.)、加藤達郎(Gt.)の3人に話を聞いた。

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CARIBOU

何も隠す必要がないところまでこれた、そう強く感じたんだ

カナダ出身、カリブーことダン・スナイスの新譜が素晴らしい。マニトバ名義期から傑作を生みだしていたカリブーが、今年発表した『Swim』はダンス・ミュージックである。これには意外だったが、常に変化する彼の音楽は、次作がどうなるか分からないことが前提としてある。新譜に関すること、カリブーのバック・グラウンドなど、数学博士でもある彼に話を聞いた。

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ASIAN KUNG-FU GENERATION

今の時代のことをちゃんと書くことによって
ヘンな普遍性が生まれる


優れた音楽...ポップ・ミュージックは魔法(マジック)たりえる。『マジックディスク』と題されたアジアン・カンフー・ジェネレーションのニュー・アルバムは、まさにそんなテーゼをど真ん中からとらえているようだ。過去と地続きのまま、明日にもつながっている、そしてぼくらが生きている「今日」の空気を極限までつめこんだ時限爆弾。堂々たる「新しい一歩」そのものではないか。たとえば先日レヴューを執筆してくれたような若者...より彼らに近い世代の者に取材してもらおうかとも考えた。しかしここはあえて、ある種の「対象化」を試みるためにも(そして、今は小さいかもしれないけれど、こちらも新しい一歩を踏み出したつもりの:笑)クッキーシーン主宰者...年長者である伊藤自身がインタヴューを担当することにした。1時間以上におよぶ会話の、ほぼ全貌をお届けしよう。

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THE DRUMS

美しくシンプルなメロディとリリック
この組み合わせに勝るほどパワフルなものはないよ


この夏を彩るとびきりなファースト・アルバムのリリース直後という、絶好すぎるタイミングで初来日を果たしたザ・ドラムス(The Drums)。一般的なインディ・バンドにないクールな雰囲気を漂わせながらも、愛するバンドの話題となると目の色が変わる彼ら。大盛況だったライヴの翌日、ヴォーカリストのジョナサンとドラマーのコナーに、レコードでのイメージを覆す「熱い」パフォーマンスから、「ザ・ドラムス以前」の過去、音楽的なバックグラウンドに至るまでの話を聞いた。

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ALL photos by Kenji Kubo

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NADA SURF

まるでスノウボール・エフェクトみたいな
(雪だるまみたいに転がりつつ大きくなっていくような)
ものなんだろうね


アメリカのティーンエイジ・ファンクラブ! いや、普段はこういう安易な表現嫌いなんですけど(笑)このインタヴューを読んでいただければ、彼ら自身もそんな言い方をきっといやがらないであろうことが、たぶんわかっていただけるのでは...。昨年、NANO-MUGEN(アジアン・カンフー・ジェネレーションが、いい意味でしつこく開催してきたイヴェント。今年はラ・ラ・ライオットが来る!)に出演するため奇跡の初来日を遂げた彼らが、一昨年(日本発売は昨年)の大傑作『Lucky』につづくニュー・アルバムを発表した。それは、なんとカヴァー集! でもって、中心人物のマシューと、ドラム/パーカッション担当のアイラが、この夏の再来日公演(サマソニ東京のみ確定。単独はあるのかな...?)を前にプロモーション来日を果たした。というわけで、彼らふたりに1時間たっぶり話を聞いてみた。

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Photo by Peter Ellenby

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THE XX

少ない方が多くを語れると信じているし
空間があることによってよりドラマ性が生まれる


傑作の呼び声高い1stアルバムのリリース後、待望の初来日を果たしたザ・エックス・エックス(The xx)。即ソールド・アウト(!)の来日公演2日前に、フロント・マンのオリヴァーにインタビューを敢行。フジロック・フェスティヴァルへの出演も発表され、ますます注目が高まる若き才能の秘密に迫った。

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NORTHERN PORTRAIT

アルバムではセルフ・プロデュースですごくD.I.Yな形だけれど、自分たちの作りたかった音を実現できたと思う

北欧デンマークからアルバム『Criminal Art Lovers』でデビューしたギター・バンド、ノーザン・ポートレイト。80〜90年代のネオアコ〜ギター・ポップへのオマージュたっぷりに、キラキラとしたサウンドを奏でる彼ら。シンガーでメインのソングライターでもあるバンドの中心人物ステファン・ラーセンに、バンド結成ののいきさつから、ビートルズをはじめとするUKバンドからの影響、デンマークの音楽シーンについてまでを聞いた。

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DELPHIC.

ちょうどそこにあったからシンセサイザーを取り入れたわけで
特に深い理由はないんだよ(笑)



その圧倒的なステージ・パフォーマンスで、瞬く間にイギリスの新人バンドの中では一歩抜きん出た存在となったデルフィック。スタイリッシュなヴィジュアル・イメージや、ステージでのクールな佇まいの印象とは真逆に、物凄くフレンドリーで「イイ奴ら」な三人。2010年4月の心斎橋SOMAでのライブの前に楽屋で、地元・マンチェスターの話からファッション・トークまで、いろいろと聞いてみた。

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THE GET UP KIDS

それぞれが落ち着いて、偶然同じ場所にいて
「今」っていうタイミングが揃った、良い再始動ができたよ


解散から3年、待望の再始動、そして待望の来日を果たしたゲット・アップ・キッズ。3年の間に目まぐるしく音楽シーンは様変わりしたが、彼らは何一つ変わらない全力疾走のライブを観せてくれた。メンバーはみんな30代になったものの、目を輝かせて音楽について語る姿は今でも「キッズ」そのもの。今回は大阪公演のリハーサル前に、ヴォーカル/ギターのマットとキーボードのジェイムスに聞いた。

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ALOHA

「インディーのやつらが
スティーヴ・ライヒやれるの?」
って言われたよ(笑)


アコースティック・EP『ライト・ワークス』から2年余、満を持して届けられたアロハの5枚目のフル・アルバム『ホーム・エイカーズ』。様々なギミックを満載した、アロハ・サウンドが炸裂した傑作になっている。リード・トラックの「Moonless March」を聴けば、インディー・ロック・ファンなら誰しも、たまらない高揚感を覚えるはず。今回は新作について、ボーカルと殆どの楽曲のソング・ライティングを担当するトニー・キャバラリオに話を聞いた。【この記事は「アロハ・インタヴュー・パート2」になります。「パート1」へのリンクは、この記事のラストにあります!】

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2 MANY DJS

みんなに共通しているのは
ただ音楽フリークだってこと


2010年代の幕開けに、2メニーDJsが日本にやってきた! とても象徴的な出来事だと思った。ヨーロッパでは2002年にリリースされ、いわゆる「マッシュアップ」的な手法の先駆けと評されている彼らの『As Heard On Radio Soulwax Pt.2』は、ある意味、現在の音楽状況を予言していたアルバムであるとともに、そのパワーは今も未来に対する希望を感じさせる。1月後半の週末、Zepp Tokyoでおこなわれたイベントに出演すべく、深夜24時すぎに到着した彼ら(そう、パート・オブ・ザ・ウィークエンド・ネヴァー・ダイズ!) に楽屋で聞いた。

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LCD SOUNDSYSTEM

最後のレコードだってことで
寂しく感じる必要なんかないと思ってる(笑)


すぐれたポップ・ミュージックの作品というのは、それを作った/演奏した/歌った人間の(抽象的な意味での)ドキュメンタリーとなりえる。それは、とりもなおさず、その人間が...そしてぼくらが生きている、この世界のドキュメンタリーということでもある。LCDサウンドシステムの、あまりに見事なサード・ アルバム『This Is Hapenning』を聴いていると、そんなことがあらためて頭に浮かんでしまった。素晴らしい音楽を世に出しつづけてきたLCDサウンドシステムことジェームズ・マーフィー(DFAの首謀者のひとりでもある)だが、(今のところ)これが最後のアルバムになる予定だという。でも、内容は極めてポジティヴ...。彼の気分に迫るべく、電話インタヴューを敢行した。

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ALOHA

偶然にできたのではない、確固たる
「ソングライター」としての楽曲ができた


アコースティック・EP『ライト・ワークス』から2年余、満を持して届けられたアロハの5枚目のフル・アルバム『ホーム・エイカーズ』。様々なギミックを満載した、アロハ・サウンドが炸裂した傑作になっている。リード・トラックの「Moonless March」を聴けば、インディー・ロック・ファンなら誰しも、たまらない高揚感を覚えるはず。今回は新作について、ボーカルと殆どの楽曲のソング・ライティングを担当するトニー・キャバラリオに話を聞いた。【パート1】

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GREAT NORTHERN

バンド名はデヴィッド・リンチ監督
『ツイン・ピークス』へのトリビュートなの


グレート・ノーザンは、ソロン・ビクスラーとレイチェル・ストルテという男女を中心にしたグループ。2007年にデビュー作『トレーディング・トワイライト・フォー・デイライト』をリリース、各メディアから絶賛される。シルヴァーサン・ピックアップスやコールド・ウォー・キッズらとのツアーを経て、満を持してリリースされた2ndアルバム『リマインド・ミー・ウェアー・ザ・ライト・イズ』で日本デビューを果たした。若手らしからぬ壮大なアレンジと緻密な演奏、そして美しいメロディが印象的な彼ら。今回はヴォーカル、キーボード、作詞を担当する女性メンバーのレイチェル・ストルテにメールでインタヴューしてみた。

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YEASAYER

レコード会社の人間も、まさか僕たちが
ポップなアルバムを作るとは想定してなかったみたい(笑)


ヴァンパイア・ウィークエンドやMGMT等を筆頭に、ここ数年、ニューヨークのブルックリン界隈から出てきたバンドが次々と世界中で注目を浴びているが、フジロック・フェスティヴァルで待望の初来日を果たすイェーセイヤーもそんなバンドのひとつだ。5月にリリースされた待望のニュー・アルバム『Odd Blood』は、中東の音楽に影響を受けたサイケなデビュー作から一点して、目映いばかりのエレクトロ・ポップ・アルバムとなっている。その大胆な変化について、また目前に迫ったフジロックのこと等、ギター、ヴォーカル、キーボード担当のアナンドに話しを聞いた。

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ALL photos by Takeshi Suga

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PASSION PIT

音楽でつながって、異国の価値観に
触れるのもエキサイディングだよ

昨年のデビュー作『!マナー』が世界中で大ヒット、各メディアのベスト・アルバムに軒並み選出されるなど、今最も勢いに乗っていると言っても過言ではない新人バンド、パッション・ピット。クッキーシーンでも、これまでに二度インタビューをしている彼らだが、早くも三回目の登場です。今回の来日公演の初日・大阪公演の開演前に、バンドの中心人物のマイケル・アンジェラコス(写真で見るよりずっとハンサム!)と、ドラムのネイト・ドンモイヤーの二人に話を聞いた。

passion_pit_pic.JPGphoto by Teppei

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TINTED WINDOWS

アメリカには...、そんなに大きな
パワー・ポップのムーヴメントはないし(笑)


バン・E・カルロス(チープ・トリック)がドラム、アダム・シュレシンジャー(ファウンテインズ・オブ・ウェイン、アイヴィー)がベース、ジェーズム・イハ(元スマッシング・パンプキンズ)がギター、そしてテイラー・ハンソン(もちろん、あのハンソン!)がヴォーカル。まさに「夢のグループ」といえるだろう。そんなティンテッド・ウィンドウズが、大阪と東京で素晴らしいライヴを披露してくれた。後者の午後、赤坂のEMIオフィスで、イハに話を聞いた。

100115tinted_5.jpg                                                                                                                           photo by Ryota Mori
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